日本時間2020年5月20日、Intelのデスクトップ向け第10世代Coreプロセッサーの発売が解禁となった。それに合わせる形で、各システムビルダーは最上位の「Core i9-10900K」などハイエンドなゲーミング向けPCをリリースしている。
パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンもその1社なのだが、同社はハイエンド以外にも第10世代のCore i5を採用したミドルレンジ向けPC「ZEFT G08F」を発売している。では、このZEFT G08FはどのようなPCなのか、このPCを発売するセブンアールジャパンの狙いはどこにあるのかなどを、同社の代表取締役である西川 龍氏と中嶋孝昌氏、それにASRockのエクストリーム プロダクトマーケティングの原口有司氏に話を伺った。
ZEFT G08F
https://pc-seven.co.jp/spc/11243.html
「ZEFT G08F」の主なスペック | |
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CPU | Intel Core i5-10500 (6コア/12スレッド、3.1GHz~4.5GHz) |
ケース | Fractal Design Define 7 Compact |
CPUクーラー | サイズ 虎徹 MarkII |
マザーボード | ASRock H470 Phantom Gaming 4 |
メモリー | 16GB(8GB×2、DDR4-2666) |
グラフィックス | GeForce GTX 1660 SUPER |
ストレージ | 500GB M.2 SSD(Crucial製、NVMe) |
有線LAN | 1000BASE-T LAN |
無線機能 | Wi-Fi 6/Blutooth 5.0対応 |
電源ユニット | 定格出力600W(80PLUS Bronze認証) |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
重要なのはバランスとユーザーとの共感
Core i5搭載モデルは試金石の側面もアリ
――今日はよろしくお願いします。率直にお伺いしますが、このZEFT G08Fの最大の特長は何になりますか?
西川氏:そうですね、Core i5採用のZEFT G08Fでは、手頃感を重要視しています。その結果、税抜きで12万9800円、税込みでも15万円以下という価格を実現しています。
中嶋氏:PCにおいて高性能を実現するのであれば、ハイエンドなパーツを組み込んでいけばいいのですが、その場合は価格が青天井になってしまいます。ですが、このあたりの価格帯になってくると“バランス感覚”が重要になってくると思います。そのバランス感覚とはいったい何なのかというと、スペックをお客様にご覧いただいたときに、価格に対して共感いただけることなんじゃないかなと思っています。
――このZEFT G08Fのパーツをどのように選定したのですか?
西川氏:弊社では、BTOでのカスタマイズの有無もありますが、概ね20万円前後のモデルがよく売れる傾向にあります。そのうえで値ごろ感を出すためには、当然のことながらそれらの価格を大きく下回る必要があります。そこで15万円以下という1つの価格設定を行ないました。この15万円以下というコストが限られる範囲で、市場で人気のパーツをどれだけ採用できるかがZEFT G08Fにおけるポイントだと思っています。
――なるほど、それでこのスペックになったというわけですね。
中嶋氏:はい。今回のZEFT G08Fを組むにあたり、まずマザーボードはASRockさんの「H470 Phantom Gaming 4」を採用しようと決めていました。それは、先ほど申し上げた市場での人気に加えて、ハイエンドのCPUやGPUでの利用を考慮して、しっかりした品質を備えているからです。
原口氏:弊社のH470 Phantom Gaming 4ですが、オーバークロックのBFB(Base Frequency Boost)という機能を有しています。これは、オーバークロック非対応のモデルナンバーに“K”が付いていないCPUであっても、CPUクーラーに冷却能力の余力があることが必須になりますが、ユーザーさんの自己責任において、TDPの枠を調節し、本来よりも高いベースクロックを実現できます。
今回のZEFT G08Fが採用しているCore i5-10500はTDP 65Wですが、このBFBを用いますとTDP 125Wとして動作させることが可能です。CPUクーラーも虎徹 MarkIIなので、BFBは十分性能を発揮できると思います。また、H470 Phantom Gaming 4は、TDP 125WのCPUを動作させてもまったく問題ない品質を備えています。
――BFBはこのクラスの製品においてかなり魅力的ですね。
原口氏:あくまでもユーザーさんの自己責任にはなるのですが、このBFBを利用すると、ゲームをプレイしているときにCPUの動作クロックの落ち込みを軽減できるので、快適性はかなり向上するのではないでしょうか。先日、ASRock Japanのyoutubeチャンネルを開設し、BFB Technologyの解説動画をアップしていますので、こちらも参考にしてください。(https://www.youtube.com/watch?v=5sqPSTPg4M0)
中嶋氏:保証対象外になるので、ご利用を推奨できませんが、H470 Phantom Gaming 4はBFBでCPUを動作させても問題ない品質を誇っていますので、Core i5-10500の通常利用であれば、マザーボードとしてはかなり余力のある状態です。ゲーム等でマザーボードへの負荷をご心配されるユーザーさんにもご納得いただけると思います。こういった部分以外でも「Phantom Gaming」という名の通り、ゲーム用途に高い品質であるのが魅力的です。
今回はコストパフォーマンスを重視しながら、お客様にゲーミングPCとして見ていただけるよう、ZEFT G08Fはゲーミング向けマザーボード、Intel最新の第10世代Coreプロセッサー、それにミドルレンジ向けのGeForce GTX 1660 SUPERを採用しています。
――そのGTX 1660 SUPERを採用した理由はなんですか?
中嶋氏:GTX 1660 SUPERは、さすがに高フレームレートや4K解像度でのゲームは厳しい部分がありますが、フルHDであればかなり快適にゲームをプレイできるのが理由になります。ですので、コアなゲーマーには正直物足りない仕様だと思いますが、これからゲームを始めたいといった方や、ライトゲーマーに向けたPCとも言えます。
――すでに第10世代Coreプロセッサー搭載モデルをいくつか販売されていますが、ユーザーの反響はいかがですか?
西川氏:Core i9-10900K搭載モデルなどは、CPUの供給体制に難があったのですが、それでも初回に入荷した数十個は即完売となりました。CPUが潤沢に供給されれば申し分ないのですが、出だし的にはまずまずといった感じです。
――CPUをRyzenにするとさらに安価にできたように思うのですが、なぜCore i5-10500を選択したのですか?
中嶋氏:ゲーミングPCとしての特徴とパフォーマンスを考えた結果、ゲーム用途で定評があるIntel製CPUを採用しました。
Core i5シリーズはミドルレンジ帯ではありますが、Core i5-10500は6コア12スレッドという今までのi5とは異なり、大きく性能が向上しています。メインがゲームでないユーザーさんにも満足いただけると思います。個人的にTDP65Wという仕様も魅力のある部分で、このCore i5-10500でお客様の反応を⾒てみたいという思いもあります。
西川氏:弊社が事前にZEFT G08Fのベンチマークを行なったところ、CINEBENCH R20でMaltiが3388、Singleが465という結果になりました。とくにSingleのスコアは同世代のRyzenより優れてますし、ゲーミング用途では、十分な性能が発揮できていると思います。