変態と呼ばれようとも何度でも復活するのだ!
モトローラの「moto Z」シリーズの合体モジュール「motomods」はバッテリーやスピーカー、カメラにプリンターなど、スマートフォンをハードウェアで拡張してくれる夢のシステムでした。5Gに対応する「5G mod」、アマゾンのAlexaスピーカーになる「moto smart speaker」など、今でも常用したくなるモジュールを数多く出していたのです。しかし、motomodsに対応するスマートフォンは1年前、2019年5月に発表された「moto z4」を最後に出てきていません。
現存する合体式スマートフォンは、デュアルディスプレーやゲームパッドを取り付けられるASUSの「ROG Phone」シリーズくらいとなってしまいました。1年で旧モデルになってしまうスマートフォン新製品の開発サイクルを考えると、合体モジュールの展開はなかなか難しいのでしょう。
しかし、中国のマイナーメーカーがこの分野で頑張ってくれています。時代の流行を先取りした合体スマホを出してきたのです。そのメーカー名は「Oukitel」。海外通販サイトなどでよく見かける格安のスマートフォンを作っているメーカーです。大手メーカーのデザインを模した製品が多く、勝負所は価格というのが実情。とはいえ、防水防塵耐衝撃性に優れたタフなモデルも多数出して、差別化を図っています。最新モデルの「WP7」もIP68に対応したアウトドア向けなモデルです。
WP7の主なスペックは6.53型(2340x1080ドット)のディスプレーに、SoCはMediaTekのHelio P90、メモリー8GBで内蔵ストレージは128GB。価格は299.99ドルと約3万円強なら十分なスペック。カメラは4800万画素に加え、800万画素の暗視カメラを搭載、赤外線を使うことで暗所の撮影が可能です。海や山へキャンプへ行くときなどに活躍するでしょう。
そして最大の特徴は背面に装着できる2つのライトモジュールの存在です。本体との接続は背面の16ピン端子で行ないます。ライトのコントロールはスマートフォン内のアプリからするようです。モジュールは本体とセットなら合計60ドルの追加で購入できるようです。
超強力なLEDライトはダブルライトで合計1100ルーメン、200メートル先までを明るく照らすことができるといいます。フラッシュライトやSOSライトに切り替えることもできるので、アウトドアユースには必須のモジュールと言えます。
紫外線ライトモジュールは殺菌用に使えるとのこと。今の時代、外出先でカフェやレストランに入り、すぐさま手の殺菌をしたいときなどに使えるわけです。殺菌効果はどれくらいなのか、使い方はどうするかは不明ですが、このモジュールがあればどんなときでも殺菌できるというのは安心がありますね。なお、どちらのモジュールを付けても本体背面のカメラ部分が隠れない構造になっているのはよく考えられています。
本当なら本体内にライトを内蔵したいいのでしょうが、そうするとかなり大きく厚くなってしまうでしょうし、そこまでして大きいスマートフォンを買おうと思う人も多くないでしょう。ならばスマートフォン本体だけでも使えるモデルを出し、そこにモジュールを取り付けることでライト機能を拡張するという考え方は悪くないと思います。
大手メーカーに負けじとスマートフォンを展開していく中で、時代の要求に沿った機能をモジュールで提供するアイディアは優れているのではないでしょうか? 他のメーカーもぜひ追従してほしいと思います。
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