Playstation 5にコロナウィルスの影響なし
こうしたなか、明るいニュースとして、世界中から大きな注目を集めているのが「PlayStation 5(PS5)」である。
日本時間の6月12日午前5時から行われた映像イベントでは、本体デザインを初公開するとともに、PS5向けゲームとして28タイトルを発表した。
吉田会長兼社長 CEOは、「PS5では、没入感を高めるために、解像度の向上に加えて、スピードを進化させている。超高速SSDとカスタム設計により、PS4と比較して、約100倍のゲームデータの読み込み速度を実現。これにより、ロードタイムをこれまでになく短くし、広大なゲームの世界を、ほぼ瞬時に移動することができる。ユーザーには切れ目がなく、没入感を持ったゲーム体験を提供できる。また、プレーヤーの五感に訴えかけるように、コントローラーも進化させる。クルマが泥道を走るときの重くずっしりとした感触や、弓を引き絞る時のような緊張感がある動作を実感できる。また、3Dオーディオ処理専用ユニットを搭載することで、多様で、複雑な3Dオーディオを実現する。音が自分の周りを動き回るような体験ができる。スピード、触感、音が一体になることで、次世代機に相応しい、これまでに実現できなかったゲーム体験を提供できる」と述べ、「PS5によって、コンソールによるイマーシブ(没入感)なゲーム体験をさらに進化させることができる」と自信をみせる。
そして、「PS5は年末の発売に向けて、ハードウェア、ソフトウェアの準備が進んでおり、予定通りにローンチできる見込みである」と、現時点において、発売計画に、新型コロナウイルスが影響しないことを示した。
PS5が、どんな感動を与えてくれるのかが、いまから楽しみだ。
吉田会長兼社長 CEOは、「ソニーのファウンダー(創業者)である盛田昭夫からの学びのひとつに、長期視点に基づく経営がある。新型コロナウイルスが世界を変えたいま、改めてその重要性を感じている」とも語り、「長期視点においては、企業の存在価値であるパーパスと、経営の方向性の明確化が欠かせない」とする。
そして、こうも語る。
「これから世の中の価値観は大きく変わるだろう。本当に大事なものはなにか、ということを世界中の人たちが考えている。その結果、最終的には、あらゆるものが人に近づいていくことになるだろう」
新型コロナウイルスという新たな危機において、改めて創業者からの学びが重要な意味を持つとともに、人を軸に構成したソニーの事業ポートフォリオが、世界中を豊かに、楽しくし、そして、感動を生みだすことが期待されている。
お詫びと訂正:吉田憲一郎会長兼社長 CEOの肩書を記事公開時点での正しいものに修正いたしました。(2020年6月19日)

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