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コンパクトでコスパ十分なPower Color「RX5600XT ITX 6GB GDDR6」の実力を検証

2020年05月28日 18時40分更新

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

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高解像度でパフォーマンスが伸びる傾向
1920×1080ドットなら快適なゲームプレイが実現

 それでは、RX5600XT ITXのパフォーマンスを確認してみたい。果たして、カードサイズが小さいことが、パフォーマンスに影を落とすことはあるのだろうか。今回は比較対象に、AMDがRX 5600 XTの競合製品と置く「GeForce GTX 1660 Ti」(以下、GTX 1660 Ti)を用意。それ以外のテスト環境は表のとおりとなる。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 7 3700X」
(8コア/16スレッド、3.6GHz~4.4GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリ DDR4-3200 8GB×2
ビデオカード Power Color「RX5600XT ITX 6GB GDDR6」(Radeon RX 5600 XT)
ASUS「ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING」(GeForce GTX 1660 Ti)
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit版

 まずは、「3DMark」(Version 2.11.6866)の結果からだが、Fire Strikeにおいて、RX5600XT ITXはGTX 1660 Tiに11~54%の差を付けた。とくに4K解像度でのテストとなるFire Strike Ultraで両者の差が最大になっており、高負荷でRX5600XT ITXの強みが発揮されるようだ。

 とくに、RX5600XT ITXのメモリクロックは14Gbpsであるのに対して、GTX 1660 Tiは12Gbpsと、メモリ帯域幅の差が高負荷におけるRX5600XT ITXのパフォーマンスを押し上げていると言ってよさそうだ。DirectX 12のテストであるTime Spyでも、RX5600XT ITXとGTX 1660 Tiの差は30~33%と、RX5600XT ITXの優位は変わらない。

 続いて「BIOHAZERD RE:3」の結果に移ろう。ここではテクスチャ品質を「高(0.5GB)」に設定したうえで、ゲームをプレイ。1分間の平均フレームレートと、最小フレームレートの代わりに突出した値を排除した99%タイルのフレームレートをGPUOpenの「OCAT」(Version 1.6)で計測した。

 その結果だが、平均フレームレートでRX5600XT ITXはGTX 1660 Tiに19~20%の差を付けた。とくに、RX5600XT ITXは、1920×1080ドットでほぼ常時80fps以上のフレームレートが得られており、かなり快適にプレイできることは誰の目にも明白だ。2560×1440ドットでも99%タイルのフレームレートは50fpsと、プレイに支障はなさそうだ。

 さらに、「Borderlands 3」の結果を見てみよう。ここでは、「中」プリセットに指定したうえで、ゲームに用意されたベンチマークモードを実行。その結果から平均フレームレートを取得し、そのログから99%タイルのフレームレートを算出した。

 1920×1080ドットでは、CPUのボトルネックが近いのかスコアが丸まりつつあるが、それでもRX5600XT ITXはGTX 1660 Tiに8%の溝を空け、それ以上の解像度では両者の差が18~24%にまで開いている。

 GTX 1660 Tiは、2560×1440ドットで99%タイルのフレームレートが60fpsを割るのに対して、RX5600XT ITXは60fps以上のパフォーマンスを発揮。1920×1080ドットにいたっては、平均フレームレートは100fpsを超えており、RX5600XT ITXでゲームを快適にプレイできることは間違いない。

  「Far Cry New Dawn」では、「最高」プリセットに設定し、ベンチマークモードを実行した。その結果だが、1920×1080ドットではCPUがボトルネックになっているためか、RX5600XT ITXとGTX 1660 Tiとでスコアが揃っている。

 そこで、2560×1440ドット以上を見て行くと、両者の差は平均フレームレートで10~22%といったところ。3840×2160ドットで両者の差が開くのは、3DMarkのFire Strikeと似た傾向だ。

 最後にRadeonシリーズには苦しい戦いとなる「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果を見てみよう。なお、描画負荷が最大となる「最高品質」でベンチマークを実行している。

 その結果だが、すべての解像度でRX5600XT ITXがGTX 1660 Tiを上回るパフォーマンスを発揮。スクウェア・エニックスの指標では、スコア7000以上が最高評価とされているが、RX5600XT ITXは2560×1440ドットでその指標を優に上回る1万以上のスコアを叩き出している。4K解像度では少々物足りないが、2560×1440ドット以下であれば快適なプレイができそうだ。

価格は実売で3万8000円前後
短尺サイズであることを考慮するとかなりお買い得

 以上のテスト結果から明らかなとおり、RX5600XT ITXは、コンパクトなサイズながらも高いパフォーマンスを発揮し、1920×1080ドットであれば多くのゲームが快適にプレイできるのは間違いない。

 RX5600XT ITXの価格は、実売で3万8000円前後と、RX 5600 XT搭載モデルとしては数千円高めだ。ただ、GTX 1660 Tiが3万1000円~3万8000円程度であることを踏まえると、コストパフォーマンスについてはRX5600XT ITXに分がある。とくに、短尺サイズであることに重きを置くのであれば、このRX5600XT ITXはかなりお買い得な製品であることは間違いない。

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