「IBM Blockchain Platform」はコンテナ化+OpenShift対応でオンプレミス/マルチクラウド展開可能に
IBM、新世代ブロックチェーン基盤製品やSaaS、導入事例を紹介
2020年05月20日 07時00分更新
「国内でも独自の付加価値を持つブロックチェーンネットワーク構築を」
IBM Blockchain Platformの国内活用事例も紹介された。三井物産の子会社であるグルーヴァースが開発した健康促進ポイントサービス「ウェルちょ」では、食品メーカーや健康サービスメーカーが参加する共通ポイントシステムを構築している。またカー用品販売のオートバックスセブンでは、同プラットフォームを使って中古車の個人間(C2C)売買システムを構築した。このシステムでは個人間取引の透明性を担保する一方、オートバックスセブンによる査定記録も活用して取引ができる。さらに将来的には、金融サービスや運輸サービスとも連携させるという。
また昨年10月に発表した、米TBCASoft、ソフトバンクとの連携によるテレコムネットワークを活用した国際決済システムでは、国内で利用しているキャッシュレスサービスを海外でも利用できるようになり、紙幣や貨幣によるやり取りをなくせるためポストコロナ時代にも最適であるとした。
ブロックチェーン領域での国内パートナー協業もさらに強化していく。髙田氏は「これまでに関係のなかった企業やパートナーとも一緒になって、国内の状況に合わせた付加価値を持つ独自のネットワークを構築したい」と語る。ここで構築したプラットフォームを、OEMのかたちでパートナーやユーザー企業に提供することも考えているという。
その先例となる事例も出てきているという。たとえば海光水産やシーフードレガシー、ライトハウス、アイエックスナレッジは共同で、IBM Food Trustを活用し、持続可能な水産資源の維持に向けた取り組みを行っている。また、インテックではIBM Food Trustを活用し、EDIサービスのノウハウも生かしながら、食の安心安全確保や食品ロス削減、食料の安定供給といった食にまつわる課題解決を図るプラットフォームの構築に取り組んでいる。
「IBM Blockchain Platformは、コンテナ化とOpenShift対応により、完全にリアーテキクチャーし、業界唯一のマルチクラウド対応のブロックチェーンプラットフォームに位置づけることができる。また、SaaSはブロックチェーン活用の即効薬になるため、IBMは、ここを重点的に強化した。さらに、ポスト新型コロナウイルスにおけるブロックチェーンの役割拡大にも力を注ぎ、そのためにパートナーとの連携も強化した」(髙田氏)