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魅惑の軽スポーツ「ホンダ・S660」で遊ぼう 第8回

ホンダ・S660にフルバケットシートを入れたら快適だった件

2020年04月26日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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A.i.R.がベルトホールが広いことが利点
そしてお掃除もラクチン

 A.i.R.のよいところは、ベルトホールが大きなところ。他のフルバケットシートは、いわゆる四点式ベルトに適した位置になるため、車載シートベルトを通すのは難しいです。ですが幅の広いベルトホールですから、車載シートベルトを通すことができるのです。このメリットはベルトを取り出しやすい(シートの裏に行きやすい)ばかりか、ベルト金具がボディーに接することが防げます。案外ベルトホールがボディ に接し、傷をつけることがありますからね。

 レーシングカーのような低さとポジションは、まるでS660がゴーカートになったかのよう。太ももまでサポートしますから、コーナーで体を支えるのもラク。運転を愉しむならフルバケ一択と声を大にして言いたくなるほど。長時間での運転でも「点」ではなく「面」で身体をサポートするためか腰痛知らず。ロングドライブほど、フルバケットシートは活きるかもしれません。

クッション材を取り外しての掃除も可能だ

 お手入れ関係としては、クッション部分も取り外しできますから清掃もラク。一方でシートを下げたため、他の方が座ろうとすると「低すぎる」ことに。人によっては「目の前はメーターしか見えない」ということも。また、純正シートについていたサイドエアバッグがなくなりますので、側面衝突時の安全性が若干損なわれる可能性はあります。クルマの内張とシートのショルダー部が接触しますが、布地部分ですので内張を傷つけることはありません。またシートをゆすっても内張とのこすれ音もないようです。

内張部分とシートのショルダー部が接触するが、大きな影響はないようだ

内張部分とシートの接触面は布地であるため、傷の心配はない。ただシートのショルダーが経年で擦れる

 見た目を考えると助手席までフルバケットにしたいところなのですが、しないのには理由があります。1つは「シートヒーター搭載モデルを待っている」ため。マイナーチェンジでシートヒーターがついたS660ですから、そのスイッチを流用する形でできたとしたら、実にうれしい限りです。オプションではなく、最初からじゃないと……という場合だったら買い替えることでしょう。そして、もともとS660は乗降しづらい車種ですが、フルバケを入れると、さらに乗りづらくなるため。初めてフルバケに乗られる方は、大抵うめき声を挙げられます。それを見ると不特定多数の人が座る可能性がある助手席までは……と思ってしまうのです。

ドアの開く角度がそれほどではなく、結構奥まった場所に座ることになるため乗降性は悪くなるのがフルバケットシートのデメリットといえそう

 とはいえ、乗ってしまえば快適そのもの。頭がBピラーに接触しないどころか、かなり余裕が生まれて、ヘルメットを装着しても問題ナシ。シートクッションが薄いことから、腰が痛くなるのでは? と思いきや、これがまったく気にならないどころか、無理な姿勢の純正シートよりはるかに快適。座ったまま寝る「車中泊」も可能です。

 身体が大きいから、という理由でS660を諦めるのは勿体ない話です。また、純正シートと比べてフルバケットシートはより運転が楽しめること間違いナシです。S660をもっと楽しむアイテムとして考慮してもよいかと思います。

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