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3万人規模のコミュニケーション基盤を目指し、ビジネスマネージャー奮闘する

ベルシステム24がSlackで実現した「冷めないコミュニケーション」とは?

2020年04月27日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

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数多くアプリを連携 ワークフロービルダーは残業申請に利用

大谷:実際にどんなチャンネルがあるんですか?

川崎:たとえば、「#ES向上」というチャンネルでは、各部署のメンバーがこんなことをやってみたとか、こんなニュースが重要なんじゃないか、いろいろな議論が行なわれています。3万人くらいのメンバーがいる当社では、ES向上はまさに生命線とも言えるチャンネルと言えます。

あと、「#私の居場所」というチャンネルがあります。自分がどこにいるかを各自で投稿するだけのチャンネルです。

大谷:出張の多いベルシステム24さんらしいチャンネルですね(笑)。

川崎:結局、各拠点ごとに出張していると、マネージャーも、部下も、どこにいるのかわかりづらいんです。予定表を開示してはいるものの、「仕事やっていないのではないか」という疑心暗鬼につながりがちなので、どこにいるかを投稿しようというチャンネルができました。場所の写真を投稿したり、食べたものをアップしたり。

大谷:完全に社内SNSですね。ちなみにSlackにも「#うちのボスはどこに?(Where is my Boss?)」というチャンネルがあるらしいです。

川崎:あとコンタクトセンター特有の使い方としては、問い合わせ数や待ち時間などのKPIを30分ごとにSlackに自動投稿するようにしています。今までは人力でのレポート出力だったし、共有するにも時間がかかっていたんですね。でも、Slackに自動投稿するようにしてからはリアルタイムに見られるようになり、対応策を検討するまでの時間も短くなりました。

大谷:自動化という意味では、連携アプリやチャットボットどんなものを使っていますか?

川崎:従業員満足度を調べるWevoxというサーベイアプリはSlackと連携させていますし、Zoomも非常によく使います。Slack上でディスカッションしていて、そのままZoomになだれ込むというパターンですね。

Outlookのスケジュールとも連携させているし、NAVITIME for SlackやNIKKEI for Slack、Backlogなどもヘビーに使っています。今後はBIツールのTableauやチャットボットのPEPなども連動させていく予定です。

大谷:すごいいっぱい使っていますね。そこらへんは誰が主導しているのですか?

川崎:最初は私が連携アプリを提案していたのですが、今は当社のユーザーが自発的にリクエストを出してくれるようになりました。

あと、ワークフロービルダーは残業申請をフォームにするなどして使っています。フォーム自体も簡単に作れました。

ワークフロービルダーで作った残業申請のフォーム

大谷:チャットからワークフロービルダーを利用するのはどうですか?

川崎:紙やメールだと面倒ですが、Slackから残業申請するのであれば、申請する方も、管理する方も楽ですよね。たとえば残業申請の理由を⾒て、他のメンバーにメンション付けて、「この仕事⼿伝えないか︖」とすぐにみんなへ相談できます。残業申請自体もオープンになっているので、他のメンバーも積極的に手伝ってくれます。やはりオープンであることは、チームワーク向上を誘発しますね。

3万人規模のコミュニケーション基盤に向けて

大谷:さて、全社3万人規模と考えれば、1500人ってまだ道半ばじゃないですか。今後どうやって規模に拡げていくのか、ぜひ聞いてみたいです。

川崎:はい。まずは「自然と拡がっていくだろう」という見方があります。現在われわれは国内外のいろいろな企業とよいお取引をさせていただいているし、コミュニケーションを専業でやっている会社なので、日本の普通の会社よりちょっと早く拡がるだろうとは考えています。

とはいえ、いろいろなリテラシーの方がいるので、サポートをしていかなければなりません。その意味でSlackって、たぶんツールの使い方より、コミュニティを作るということなんだろうと思います。コミュニティに入ることによって、有益な情報がリアルタイムに得られますということをアピールしていけば、テクノロジーが障壁になっている人たちも入ってこられると思います。

大谷:単に「Slack使おうぜ!」ではなく、コミュニティに参加するための手段としてSlackがあるというイメージですかね。

川崎:そうです。ゆるくコミュニティを作っていけば、当社のメンバーはバラエティ豊かで面白いので、みんな自然に入ってくると思います。そして、コミュニティの形成を阻害する要因を排除していくという流れです。

大谷:現場部門発のITって、とかく情シスやIT部門と対立しがちじゃないですか。その点、川崎さんの場合はどうなんですか?

川崎:コミュニティの形成を阻害する要因を排除するという目的に向けては、私のようなビジネスマネージャーとIT部門とはむしろ協力関係です。既存のルールや障壁をどうやって乗り越えるかをディスカッションしてくれる相手であり、実際に助けてくれました。

「私のようなビジネスマネージャーとIT部門とはむしろ協力関係です」(川崎氏)

IT部門って、今の仕事だけでも相当すごいことをやっているんです。少なくとも、私は3万人のPCの稼働状況なんてとても把握できません。今回のSlack導入も、もともとのシステムやインフラにとってみたら、+αの施策になるので負荷はかかります。だから、IT部門にとってそれがどれだけ大変かわからない私のようなビジネスマネージャーが「コミュニケーションのニーズがあるんだ!」と声を上げていくことが、IT部門も含めて、会社のコミュニケーションに火をつけていくことになるんだと思います。

大谷:ありがとうございました。3万人規模になったら、またお伺いしたいです!

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