オープンハウスとワークスモバイルジャパン、ストックマーク、サンブリッジは3月17日、4社で連携して、最先端のAI(自然言語処理)技術を用いてユーザーとのLINEトーク内容を分析し、AIを活用した新たな営業提案手法の開発ならびにそのためのCRMシステムの構築を目的としたPoC(Proof of Concept:概念実証実験)を開始すると発表した。
今回のPoCでは、オープンハウスで既に蓄積しているユーザとのLINEのトーク内容(およそ22万件)をストックマークのAIソリューション「Asales」で学習、販売成績と紐づけた学習を行うことで、成約につながりやすいトークアプローチが何かを相関的に分類。レコメンドアルゴリズムのベースを構築しながら、販売成績上位営業担当者のアプローチに共通するコミュニケーション要素を可視化する。
LINEのトーク内容や顧客情報、過去の成約情報、自社サイトの行動履歴などのデータをCRMに集約、蓄積。AIがトーク内容だけでなくその他属性情報との相関関係を分析し、より成約に繋がりやすいトークアプローチ、タイミングのレコメンドを営業担当者に提示する。具体的には、AIが「友達リストから対象のユーザーを探す」「メッセージを考える・打つ」「お客様データを確認する」といった一連の提案を全て自動実行する事を目指すとしている。
これにより、営業担当者は全ての顧客情報を記憶せずとも、AIが「いつ」「誰に」「何を」アプローチすれば良いかを自動で提案するため、機会損失を防止するだけでなくユーザーに相対する時間そのものに注力できるようになり、サービスレベルの向上・標準化も見込めるという。
またユーザーにとっても、最もストレスがないタイミングと手段で必要な情報が手に入るだけでなく、これまでとは違う視点での新たな気づきや提案を得られるようになり、よりスムーズでスマートな住宅探しを提供できるとアピールする。
オープンハウスは営業活動にLINEを活用するため、2017年2月よりビジネスチャット「LINE WORKS」を導入、既に相当数のトークデータが蓄積されているという。今回のPoCでユーザー情報を蓄積するプラットフォームとしてはセールスフォース・ドットコムが提供する「Salesforce Sales Cloud」を採用しており、LINE WORKSとのトーク内容含む成約までの多様なユーザー情報を、個人が特定できない形での情報のみを集約し、総合的に分析する。各データを接続するためのAPI開発・検証環境の構築は、Salesforceプラチナコンサルティングパートナーであるサンブリッジが担当する。