日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(Xperia 1以降は番外編としてグローバルモデルを紹介しています)。
ソニーモバイル初のXperia
「Xperia ion」
2012年、グローバル向けのフラッグシップモデルとして「Xperia ion」が登場しました。読み方は「えくすぺりあ あいおん」で、イオンではありません。コードネームはAoba、モデル番号は「LT28at/LT28i/LT28h」でした。
このモデルはソニーモバイルブランド初のスマートフォンとして発売されました(2012年3月にソニー・エリクソンはブランド消滅)。また、MDM9200チップを搭載し、高速通信規格LTEへ対応しています。
ディスプレーは4.6型(720×1280ドット)のマルチタッチ対応、スペックはSoCにSnapdragon MSM8260(1.5GHz デュアルプロセッサー)を採用し、メモリーは1GB、内蔵ストレージは16GB。バッテリー容量は1900mA、OSはAndroid 2.3という構成です。さらに、外部メモリーとして最大32GBまでのmicroSDカードを装備できます。本体サイズは約68×132×10.6mm、重さは144g。
リアカメラは約1200万画素の裏面照射型CMOSセンサー 「Exmor R for Mobile」を搭載し、暗がりでの撮影が可能です。LEDライトや、物理キーとしてのシャッ ターボタンも備え、スタンバイから2秒以内ですぐに撮影できました。フロントには、720p動画撮影も可能なカメラを採用しています。
ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」のノウハウを活かして、高コントラストと高輝度の映像再現をする「Mobile BRAVIA Engine」が搭載されており、ディスプレーと接続できるHDMI端子も備えていたのです。
デザイン面を見てみると、本体背面はヘアライン加工された金属ボディーになり、正面には「Sony Ericsson」ではなく「SONY」のロゴが入ります(モデルによりSONYロゴの位置は異なる)。
背面パネルは本体と一体化しており、バッテリーパックの交換はできず……。ただし、SIMカードとmicroSDカードを差し込むため、背面の一部のパーツのみが着脱できるようになっています。
そのほか、ソニーの提唱する「Playstation-Certified」 に対応たことで、初代のプレイステーションゲームを楽しむといった試みもなされていました。 近距離無線通信規格のNFCも搭載し、OSについてもその後のAndroid 4.0へのバージョンアップを果たします。
同年発売された「Xperia S」(日本国内では「Xperia NX」)とほぼ同じスペックでありながら、LTE搭載ディスプレイの大型化といった特徴をもったモデルでした。

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