aptXにも対応、クセがなく透明感ある音が魅力
Bang&Olufsenの新しい完全ワイヤレス「BeoPlay E8 3rd Gen」を聞く
2020年02月23日 13時00分更新
ライブの音も録音された音も空気感が大切
スタジオでの発表会ということもあり、アーティストや音楽制作に携わるゲストも登壇。最初にステージに現れたのが青葉市子さん。アコーステックギターとボーカルだけのライブコンサートが始まった。海辺の葬列、月の丘、奇跡はいつでもを歌い上げた。静かな空間に広がる青葉さんの透明感ある歌声が心に染み入るようだった。
続いてミュージシャンの青葉市子さんに加えて、フィッシュマンズ、UA、バッファロー・ドーターなどのレコーディングやライブのSRを務めるサウンドエンジニアのZAKさん、自宅で作曲と楽曲制作をおこなっているトラックメーカーのtofubeatsさんが登壇して3人での座談会となった。
司会者の質問は、ライブとレコーディングされた音にはどんな違いがあるかだった。これに対してZAKさんは「ライブでもサウンドエンジニアがセッティングしたマイクとラインを通ってスピーカーから音が出ます。これは僕のバランスの音です。そこに彼女の生演奏の音色が加わわり、両方のフィルターがかかって音が生まれています」と語った。ライブの音も生ではなくクリエイトされた音という訳だ。
これを受けて自宅で楽曲を制作されるtofubeatsさんは「音のイメージ、音楽的な風景、自分の思っている空気感にどうやって近付けるか。それに気を付けながら音を作っています」と答えた。
青葉さんの考える空気感とは「それは私が発する音よりも、周囲の環境、素材と空間の広さを考えます。例えばここのステージを歩くと床が揺れました。どうやら下に空洞があるようだ、それなら低音が響きそうだから、ギターの低音の弾き方を緩めようと考えます」と物理的な空間に対しても気を配っていることをあきらかにした。
デジタル音源とアナログ音源について
レコード、CDからデジタル音源、圧縮音源、ハイレゾ音源、ストリーミング配信など音楽を聞く環境は多様化している。それに対してサウンドエンジニアはどう感じているのだろうか。ZAKさんは、様々な年代とジャンルの曲がネットで手軽に聞けるようになって、若い人が40年代の曲に触れられるなど、年代による垣根がなくなってきている。また、作り手もあらゆる年代のテクニックを取り入れられることで新しいものが生まれる。それとは別に、本当にいいと思った曲は、圧縮していない音で聞くためにライブに来て欲しいとも語った。
tofubeatsさんは音楽データの圧縮には様々な仕様があり、作り手側にとって難しい問題が増えたが、再生側の環境が均一化されることで、以前は入れるのを躊躇するような超低音も入れられるようになった。それにより自分が意図したクラブミュ−ジックが伝えやすくなる一面もあるという。
青葉さんは、沢山、音楽を聞く出口があるのはいいことだと思うとする。音楽を知ることができるから、奏でられている音の価値が理解され大切にされていることを感じられるそうだ。