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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第545回

ハードウェアから撤退し株価急落、迷走するHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2020年01月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Apotheker氏がCEOに就任
Hurd氏は解任後Oracleの共同社長に

 Hurd氏退任後、暫定CEOとしてCFOを務めていたCathie Lesjak氏が任命され、9月30日には当時SAPのCEOを務めていたLeo Apotheker氏を社長兼CEOとして招聘した。

社長兼CEOのLeo Apotheker氏。歴代CEOの中で最も短い、1年未満の在職期間であった

 会長職には再び外部のRaymond J. Lane氏(ベンチャーキャピタルのKleiner Perkins Caufield & ByersのManaging Partner)を、非業務執行取締役会会長として選んだ。Lane氏はその後、CEOがMeg Whitman氏に代わった後も会長職を続けたが、HPが英国のAutonomy Corporation PLCを買収するにあたっての騒ぎの結果、会長職から降りている。

 ちなみにHurd氏は解任翌月の2010年9月にOracleの共同社長に就任している。もともとOracle創業者兼CEOだったLarry Elison氏とHurd氏は仲が良く、Hurd氏解任の時にElison氏は抗議のメールをNY Timesに送っている

 そのメールによれば、利益を出しているCEOを更迭するのは株主に対する利益相反になるとした上で、「HPの取締役会の決定は、以前Appleの取締役会がSteve Jobsを追放した時以来のひどいものだ」だったそうで、Oracle入りはある意味順当だったと言える。

 話をHPに戻すと、CEO/会長が決まって一段落した2011年1月に、取締役会のメンバーを大幅に入れ替えている

 これは、Hurd氏の在任中の動向(*)を外部の独立した調査機関に委託する方向を固めるために、前からいた取締役だと調査に参加できないこと、それとある意味旧Hurd時代の責任を間接的に取らされた形になる。

 10人の社外取締役のうち4人が解任され、新たに5人が選任された。この5人に新会長のLane氏と新CEOのApotheker氏が加わって、13人での体制となった形だ。

(*) 在任中の動向には、不正な経費支出も含まれる。最初にやり玉に挙がったのは、2007年にFisher氏を採用するにあたり、2度もHurd氏が面接に赴いていることと、Fisher氏を招いてのイベント&食事に2万ドルほど支出したことだ。

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