米国ラスベガスでは1月7日から世界最大のエレクトロニクスショー「CES」が開幕する。前日の1月6日にはクアルコムが記者会見を開き、レノボが商品化する世界初の”5G対応”モバイルPC「Yoga 5G」、およびセルラーネットワークを活用したV2X(Vehicle-to-everything)や自動運転などコネクテッドカーに関連する最新ソリューションを発表した。
レノボがクアルコムのPC向けSoCと5Gモデムを搭載するPCを発表
クアルコムは昨年の12月にSnapdragonファミリーのモバイルPC向け最新SoCを発表したばかりだが、レノボが発表した「Yoga 5G」には最上位のSoCである「Snapdragon 8cx Compute Platform」が採用される。
レノボの5G PCについては昨年初夏に台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2019にてプロトタイプがお披露目され、このほど商品化が正式にアナウンスされた格好になった。
レノボのYoga 5Gは世界で初めて発表された5G対応のモバイルPCだ。14インチのIPS対応フルHDタッチ液晶を搭載する。360度回転するヒンジ機構により、クラムシェルやタブレットなど自由に活用スタイルが変えられる。
Snapdragon 8cxのSoCにはモデムICが統合されていないため、これに第2世代の5Gモデルとなる「Snapdragon X55 5G Modem」を組み合わせることにより、5Gのミリ波とSub-6の両周波数帯をカバーする。eSIM機能も内蔵される見込みだ。
クアルコムはモバイル向けSoCを発表した当初から、その高い駆動電力効率を特徴としてアピールしてきた。Yoga 5Gも最長約24時間のバッテリーライフを実現するようだ。
プレスカンファレンスにはレノボからConsumer Business, Intelligent Devices Groupのシニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるJohnson Jia氏が登壇し、Yoga 5Gの概略を語った。北米で販売する商品としては今春に発売スケジュールを定めて、1499ドル(約16万円)で投入する計画が明かされた。
Jia氏は壇上で「世界各所で5Gが立ち上がる2020年に、レノボはクアルコムとのパートナーシップをさらに深めながら5G PCのリーディングブランドとしての地位を確立したい」と意気込みを述べた。また発売を予定する各地域で5G対応のネットワークサービスを提供する通信事業者とも密に連携を図ると語っている。日本で商品が投入される見込みなどについてはこのステージで触れられなかった。
クアルコムのクリスチアーノ・アモン社長はレノボのJia氏と固く握手を交わした後、「セルラーネットワークに常時接続ができる5G対応のモバイルPCはリスキーな公衆無線ネットワークを使わずに、いつでも・どこでもオンラインワークが可能になる」とメリットを付け加えた。
この連載の記事
-
第48回
デジタル
ASUSがNUC 9向けに開発したRTX 2070 MINIとは?:CES 2020 -
第47回
デジタル
CES 2020でMSIが公開した300Hz対応ノートPCやサブ液晶つき湾曲ディスプレー -
第46回
PC
CORSAIR、同社初となる空冷クーラーや複数ブランドの新製品をCESにて発表 -
第45回
グルメ
アメリカのマクドナルド、日本とどう違う -
第44回
グルメ
米ケンタッキーで、超アメリカンなチキンサンドを食べた -
第43回
AV
CES 2020でSHURE初トゥルーワイヤレス「AONIC 215」を試した -
第42回
TECH
CES 2020 ネットギアがWi-Fi 6対応製品を展示 -
第41回
デジタル
Razerが新NUC採用ゲームPC「Razer Tomahawk」CES 2020で展示 -
第40回
PC
Kingstonは、CESにてGen4対応のSSDやQi対応ゲーミングヘッドセットなどを公開 -
第39回
Audio & Visual
クリエイティブ、「Super X-Fi Gen2」を発表、未発表のイヤホン・ヘッドホンも多数展示 -
第38回
Audio & Visual
JBL初のゲーミングヘッドホンがかっこいい! Harman/KardonやAKG新製品もズラリのCES ハーマン - この連載の一覧へ