スマホでもAndroidでもないケータイのXperiaがあった! 「Xperia Pureness X5」
2019年12月23日 10時00分更新
日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(Xperia 1以降は番外編としてグローバルモデルを紹介します)。
未来感あふれるフィーチャーフォン
ソニー・エリクソン「Xperia Pureness X5」
Windows Mobileを搭載したXperia X1、Xperia X2と、その後に登場するAndroid搭載モデルの前に、たったひとつだけフィーチャーフォンスタイルの「Xperia Pureness X5」が2009年にグローバルモデルとしてリリースされました。
Xperia Pureness X5はA200 PlatformというOSを採用したフィーチャーフォンであり、電話やSMSができるほか、ネットワークに接続してインターネットやEメールも可能。ただし、当然ながら日本語には対応していません。
本体サイズは約43×102×13mm、重さは70gと超軽量コンパクト。手の中に収まってしまうほどのコンパクトなストレートタイプのボディーと、1.8型(176×220ドット)というサイズながら向こう側が透けて見えるスケルトン(トランスルーセント)のディスプレーが最大の特徴です。透過型ディスプレーという以外は、カラーではなくモノクロで、タッチ操作非対応でしたが、文字や画像などが浮かび上がる様は近未来感を演出してくれます。
キートップは本体の電源が入ると浮かび上がる仕様で、反対側の背面にはSony Ericssonのアイデンティティーとなる緑目玉ロゴがあります。ディスプレーが透過していることもあり、表裏どちらが正面かわからなくなるほどのスタイリッシュな本体は、サイドにSIMスロットを搭載し、充電は専用形状の電源コードで接続します。
エンタメ機能も備えており、音楽ファイルは本体にBluetooth経由で転送可能です。ただ、本体のストレージ容量も88MBと非常に少なく、microSDカードスロットも備えていないため、あまり実用的ではありません。国内利用は不明ですが、FMラジオも搭載していました。カメラは非搭載であり、必要最低限の機能を持ったフィーチャーフォンだったのです。
なお、開発コードネームは“kiki”であり、プレスリリース時のコンセプトは“talk,text,time - a holiday from technology”。スペックではなくデザイン性や、操作の心地よさといったものを訴えかけるコンセプトのモデルでした。
Xperia初期モデル、Xperia X1、Xperia X2、Xperia Pureness X5の3機種については海外のみの販売で、その位置付けはマイナーな存在でしたが、この後Androidを搭載したXperia X10の登場により、全世界へと快進撃を始めていくことになります。
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