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Ryzen人気で搭載PCの売り上げがなんと半分近くに!?

自社製品対決!? SEVENがCore i9-9900KS/Ryzen 9 3950X搭載PCを同時に用意するワケとは

2019年12月21日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集● ASCII

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 2019年11月9日、Intelは全コアが5GHzで動作する「Core i9-9900KS」を発売。それに対してAMDは2019年11月30日から16コア/32スレッドタイプの「Ryzen 9 3950X」の発売を開始した。ともに同時期にハイエンド向けのCPUを市場に投入し、まさに頂上決戦の様相を呈している。

 そんな中、パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンは、ゲーミング向けモデルとしてi9-9900KS搭載PCの「ZEFT C9KSR4」と、Ryzen 9 3950X搭載PCの「ZEFT R395R6」を追加。ユニークなのは、両モデルとも外見がまったく同じで、ほぼスペックが揃っている点。つまり、CPUとそれに付随するマザーボードなどが異なっているだけだ。自社製品でまるで対決モデルとでも言うように、これらの2つのモデルを用意している点はなかなかに興味深い。

 PC市場においては、AMDが善戦を奮ってるとはいえ、まだまだIntel製CPUの需要が高いが、わざわざi9-9900KS搭載モデルと揃える形でRyzen 9 3950X搭載モデルを用意した狙いはどこにあるのか、セブンアールジャパンの代表取締役である西川 龍氏と中嶋孝昌氏に話を伺ってみた。

セブンアールジャパンの代表取締役である西川 龍氏(写真右)と中嶋孝昌氏(写真左)。白色がRyzen 9 3950X搭載モデル、黒色がi9-9900KS搭載モデルとなる

Core i9-9900KSモデル:ZEFT C9KSR4
https://pc-seven.co.jp/spc/10792.html

Ryzen 9 3950Xモデル:ZEFT R395R6
https://pc-seven.co.jp/spc/10738.html

   
Core i9-9900KSおよびRyzen 9 3950X搭載PCの主なスペック
モデル名 ZEFT C9KSR4 ZEFT R395R6
CPU Core i9-9900KS(定格クロック4.0GHz、最大クロック5.0GHz、8C/16T、キャッシュ容量16MB) Ryzen 9 3950X(定格クロック3.5GHz、最大クロック4.7GHz、16C/32T、キャッシュ容量64MB)
CPUクーラー SilverStone PF240-ARGB-7R
マザーボード ASRock Z390 Phantom Gaming 7(Intel Z390) ASRock X570 Phantom Gaming 4(AMD X570)
メモリー 32GB PC4-21300(DDR4 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用 32GB PC4-25600(DDR4 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用
グラフィックス GeForce RTX 2080 SUPER 6GB GDDR6(2スロット使用)
ストレージ 500GB SSD(Crucial「P1 CT500P1SSD8JP」、NVMe)
4TB HDD(Serial ATA 6Gbps)
有線LAN 1000BASE-T LAN
無線LAN Wi-Fi6(IEEE801.11ax、ASRock AX200)
電源ユニットSilverStone ET750-G(定格出力750W、80Plus GOLD認証)
PCケース NZXT H710 MattBlack NZXT H710 White
OS※Windows 10 Home(64ビット)

意外にもこの企画はRyzen 9 3950Xからスタート
Ryzen搭載PCの売り上げがかなり好調

――今日はよろしくお願いします。なぜ、IntelとAMDをそれぞれ搭載した最上位モデルを、ほぼ同じスペックで出そうと考えたのですか?

中嶋氏:はい、Intelが限定モデルのi9-9900KSをリリースして、AMDがハイエンドのRyzen 9 3950Xを発売しました。ちょうど同時期にハイエンドCPUの登場が重なったものですから、それぞれのモデルを用意して、お客様に両メーカーのフラッグシップCPU2つを提案したいと考えた次第です。

――以前、Ryzenは入荷状況が芳しくないと伺っていましたが、そのあたりは変わりましたか?

中嶋氏:やはり人気CPUは品薄で、化粧箱に入っていないトレイ品での入荷です。Ryzen 9 3950Xも同様です。いろいろなご協力もあって、継続して受注できる状況にあります。ただ、Ryzen 9 3950Xの対抗モデルとして用意しているi9-9900KSは、CPU自体が限定品なので、初回入荷分で終了となります。

――ではRyzenに関してはかなりイメージが変わりましたか?

中嶋氏:はい、ここ半年でかなり変わりました。最初、IntelとAMDは、弊社のPCでは90:10程度の比率でした。ですが、「Ryzen 9 3900X」と現在キャンペーンを行っている「Ryzen 7 3800X」が非常に好評で、60:40まで比率を伸ばしています。この2つの型番でAMD製CPU搭載モデルの半分に届きそうな勢いを見せています。AMDとIntelでは、同じ4コア4スレッドでもAMDのほうが安価ですから、価格の安さもAMDの人気に拍車を掛けていますね。

――初期不良に関してはいかがですか?

中嶋氏:Ryzen 3000番台CPUでの初期不良はほぼないです。台数が違いますので純粋な比較にはなりませんが、第2世代Ryzenに比べると、今のRyzen3000番台はかなり故障率が低いと言ってよさそうです。実際、Ryzen 9 3950Xのひとつ下のグレードの型番で現在販売しているRyzen 9 3900X搭載モデルをご購入されたお客様から、初期不良の連絡をいただいたことは一度もないですね。

Ryzenに対する印象が大きく変わったと語る西川氏(写真左)と中嶋氏(写真右)

――ということは今回のPCに関しては、まずRyzen 9 3950X搭載モデルから話が始まったのですか?

中嶋氏:そうですね。Ryzen搭載PCが非常に好評を得ていましたので、当然、Ryzen 9 3950X搭載モデルも手掛ける予定でいました。すると、Intelからもデスクトップ向けCPUでは最上位となるi9-9900KSがリリースされましたので、上位2機種のCPUでそれぞれモデルを出してみてもおもしろいのではないかと話が進んでいきました。僕の勝手な解釈ですが、IntelはRyzen 9 3950Xの対抗モデルとしてi9-9900KSを用意したと思います。ですので、その意思を勝手にくみ取って、ほぼ同じスペックで並べて売ろうと考えたわけです。

Ryzen 9 3950X搭載モデルのZEFT R395R6

ZEFT R395R6の左側面のサイドパネルを外したところ

――AMDに関してはThreadripperという選択肢もあったと思うのですが、Ryzen 9 3950Xに留めた理由はなんでしょうか?

中嶋氏:Threadripperは、CPUクーラーをかなり選ぶ点が難題ですね。それに加えて、Threadripperの需要が弊社のPCにおいてはあまり高くないことが挙げられます。さらに、今後、Threadripperは3990Xの発売も予告されていますから、早急にThreadripperが必要でない限り、お客様は3990Xの発売を待つと思います。弊社もThreadripper搭載PCを手掛けてはいますが、現時点ではユーザーさんの需要が高いのはRyzen 9 3950Xだろうと判断した次第です。ちなみに、3990X搭載PCは、弊社のカテゴライズでは、ハイエンドPCに位置付けて発売する予定です。

――では、Ryzen 9 3950Xの利点はどこにあるとお考えですか?

中嶋氏:Ryzen 9 3950Xの利点はやはり多コア多スレッドにあると思います。ですので、このRyzen 9 3950X搭載モデルは、ゲーム実況をされているストリーマーの方々に訴求していきたいですね。先ほどの話に戻りますが、それならより多コアのThreadripperのほうがいいのでは?という話にもなるかもしれませんが、現状、Threadripperのコア数を活かせるゲームはおそらくないと思います。今回は、あくまでゲーミング向けのZEFTシリーズとしてのPCですので、そういった理由から価格を考慮して、ThreadripperよりRyzen 9 3950Xを選択しています。ですので、このZEFT R395R6は、ゲーム実況を配信されている方や、ゲームをプレイしながら録画している方に使っていただきたいですね。

――i9-9900KSについてはいかがですか?

西川氏:i9-9900KSのほうは、ゲームに最適化されているケースが多いという強みがあります。あと、i9-9900KSの最大の特徴は、全コアが5GHzで動く点ですね。シングルコア性能はi9-9900KSに分があるので、多くの場面で高いゲームパフォーマンスが望めます。ただ、i9-9900KS搭載モデルのZEFT C9KSR4については、限定商品のためCPUの在庫がなくなり次第、終了となります。

中嶋氏:これは少々変わった例になるのかもしれませんが、お客様から「グラフィックスカードは必要ないが、CPU性能にこだわりたい」という問い合わせをいただくことがあります。APU以外のRyzenシリーズはグラフィックス機能を持っていませんので、そういったお客様はIntel製CPUをご指定されますね。さすがに、i9-9900KSでグラフィックスカードは必要ないというお客様は多くないと思いますが、ハイエンド向けでもグラフィックス機能を有している点はIntel製CPUの強みじゃないでしょうか。

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