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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第203回

アメリカ合衆国政府御用達のボールペンを大人買いしました

2019年11月17日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集● ASCII

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視覚障害者の就労支援のためのブランドです

 1938年6月、アメリカで視覚障害者の就労支援のための法律として、ワグナー・オデイ法という連邦法が作られました。これは政府に対して、視覚障害者が働いている非営利機関から製品を購入したり、サービスを受けたりすることを義務付けるもの。同年8月には非営利機関としてNational Industries for the Blind(NIB)――全米視覚障害者産業がニューヨーク州で設立されています。

 NIBが最初に作った製品はトウモロコシのほうきと綿のモップでしたが、翌1939年には被雇用者が150人になり、製品も洋服ブラシや枕カバー、綿棒、ドアマットと増えていきました。

 第二次世界大戦が始まると生産数は飛躍的に拡大し、終戦までに4000万枚以上の枕カバーに2100万枚の郵便バッグ、1300万本のほうきなどを納入しています。その後ペンなどの事務用品や洗濯バサミなどの家庭用品を作るようになり、1952年には民間市場でも販売するようになりました。このとき製品のブランドとして立ち上げたのがSKILCRAFTです。いまでは清掃用品や寝具、医療用品、塗料、工具、ユニフォームなど3500を超えるアイテムが作られています。

 1971年にはこの障害者雇用のための法律はジャビッツ・ワグナー・オデイ法となり、対象がそのほかの重度の障害を持つ人にまで拡大されています。こういった経緯から、SKILCRAFT製品はいまでも米国政府機関で使われ続けているのです。

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