二流の戦略、一流の実行力
こうした「先手」の効果もあって、2019年度上期空調事業におけるアジアの売上高が前年同期比6%増の1487億円、現地通貨ベースでは、前年同期比8%増となっている。とくに、インドでは16%増、タイでは17%増、インドネシアでは12%増と高い伸びをみせている。
こうした地域に最適化した製品投入と、それを支える販売、工事、サポート網をいち早く構築したことが、いまの好調な業績につながっている。
十河社長兼CEOは、ダイキン工業のもうひとつの強みとして「結果にこだわって実行する社員の実行力」をあげる。
「二流の戦略、一流の実行力」と笑いながら、「ダイキン工業は、人を機軸とした経営を進めてきた。それによって生まれた、結果にこだわって愚直に取り組む社員の実行力は大きな強みである。これは、ダイキン工業のDNAでもある」とする。
同社の組織は「フラット&スピード」が特徴だとする。
「階層が少なく、情報を共有し、問題意識を持ち、議論をし、一度決めたからには、全員で目標達成に向けて動き出す」
同社が先見性のある経営を実現できるのも、フラット&スピードの組織をベースにした実行力があるからだ。
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