41%が外国人スタッフ
日高屋、店内とテイクアウトで同一価格にしたのは外国人従業員のため
2019年10月09日 19時45分更新
唐突ですが、私は日高屋が好きで、よく行っています。
関東地方を中心に展開する「日高屋」は、手ごろな価格のラーメンや定食を揃えた中華食堂チェーン。駅前の好立地に多いため利用しやすいのと、アルコールやおつまみメニューも豊富なので、食事だけではなく“ちょい飲み”にも便利。使い勝手のよさから、編集部でも日高屋ファンは多いです。
大衆的な中華食堂なので、安くてお腹が満たされるというのが一番のありがたみ。ただ、同様のチェーンもほかにあるなか、日高屋の魅力はひと言で“安い”だけではなく、なんとも説明しがたい居心地のよさがあるような……。
そんな日高屋は、10月1日に人気定番メニューである「餃子」をリニューアル。事前に開催された発表会では、日高屋を運営するハイデイ日高の取締役社長である高橋均さんと、日高屋の新ウェブCMの制作に携わる放送作家たむらようこさんが登壇しました。
実は、たむらさんはもとから日高屋の大ファン。今回ウェブCMを手掛けるにあたって高橋社長とやりとりしたことで、あらためて日高屋の他にはない“すごさ”を発見したとのこと。報道陣に向けて、興奮気味に日高屋の魅力を語ってくれました。同じく日高屋のファンとして記者も共感したので、かいつまんでご紹介。
ガパオ汁なし麺の誕生秘話
「ガパオ汁なし麺」は日高屋の期間限定商品として今年の春ごろに登場しました。「なぜ、中華食堂にガパオ?」「しかもガパオライスとはまた違う謎メニュー」と、日高屋ファンを困惑させました。
発表会で明らかになったところでは、高橋社長がタイにある工場を視察で訪れた際、現地で食べたガパオライスのおいしさに感激して取り入れたメニュー。最初に販売したのは「バジルチキンライス」でした(こちらも今年初春に発売)。社員から、「麺にも合う」という提案があったので、具材の部分を麺にかけてアレンジ。日高屋にしかない唯一無二の「ガパオ汁なし麺」が生み出されたわけです。
開発の動機は「おいしいから、みんなに食べてもらいたい」というシンプルな想いだったそうな。
……ここまでが開発経緯。なるほど、と言いたいところですが、どうしても気になることがあります。そもそも、中華食堂にガパオライスってアリなんですかね?
当然抱く疑問を、たむらさんも高橋社長に直接きいてみたそう。そこでかえってきた答えがなんかすごかった。
「料理に国境はない!」
高橋社長は、グローバル化が進む中、中華とか中華じゃないとか、そんなのはあまり問題ではなく、おいしくて満足できるものを取り入れたい、そんなことを語ってくれたそう。たむらさんにとっても、忘れらないフレーズになったと。
ほお~!
店内飲食、テイクアウトが同一価格なのは
現場の外国人従業員のため
日高屋では一部メニューをテイクアウト対応しています。10月1日の消費増税以降は、店内飲食が10%、テイクアウトが8%と消費税率が異なります。日高屋では本体価格を調整することで、店内とテイクアウトを基本的に同一価格で提供。
飲食チェーンの消費増税後の対応として、店内飲食とテイクアウトを同一価格に設定する例も珍しくありません。ただ、理由については、日高屋ならではの思いがあるようです。
たむらさんが、店内飲食とテイクアウトを同一価格にする理由を尋ねたところ、高橋社長が真っ先にあげたのは「働いてくれている外国の方が混乱しないように」。
日高屋は従業員に外国人を多く採用しており、現在約41%が外国人スタッフ。特にベトナムの方の比重が高く、およそ2500人在籍しているそう。慣れない海外の地で働く方にとって、店内飲食とテイクアウトで価格が異なると、混乱が生じて負担になる可能性もあります。高橋社長は一番にその点を懸念したとか。
なお、日高屋では消費増税後も中華そば、野菜たっぷりタンメン、餃子、生ビールなど人気メニューについては税込価格を据え置き。
お客さんにとっての利用勝手の良さを重視するのはもちろんだけど、質問して一番に出てきた回答が現場の従業員目線だったことにたむらさんは感激。ガパオ汁なし麺といったメニューひとつひとつに込められた心意気、従業員へも愛があると、日高屋への尊敬の気持ちを深めたそうですよ。
ただいま餃子170円キャンペーン
私が日高屋に感じていた、居心地の良さや親しみやすさにも結びつくエピソードでした。なんだかすごいんですよね、日高屋って。
さて、日高屋ではただいま、「餃子(6個)」を税込170円(本体155円)で販売するキャンペーンを開催中。お近くに日高屋がある方は立ち寄ってみて、日高屋ならではの空気感を味わってみてはどうでしょう。
書いた人:記者ナベコ
酒好きライター、編集者。カンパイからすべてが始まるはず。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に出演するなど酒活動しつつ食トレンドを追っています。♪アスキーグルメやっています.情報募集中→【Twitter】【Facebook】♪
この連載の記事
-
第30回
グルメ
え「タイカレー」ってこんなにあるの!? 「グリーンカレー」で有名なヤマモリの新作にびっくり -
第29回
グルメ
タイには「タイカレー」は存在しない…! 発売25年目のヤマモリ「グリーンカレー」の苦難 -
第28回
グルメ
ローソン「天下一品」監修ラーメンに隠された苦労とは。「京都まで足を運んで…」 -
第27回
グルメ
日本初、キリンの「糖質ゼロビール」が売行き絶好調!“ビール戻り”が巻き起こるか -
第26回
グルメ
丸亀製麺の朝は「次の日のうどん」の仕込みから始まる -
第25回
グルメ
キリン生茶、あらためて「生」の味を追求した -
第24回
グルメ
140円のボトル缶コーヒーの価値を「猿田彦珈琲」代表が語る -
第23回
グルメ
辛い麻婆スープが駅ナカ自販機に登場!辛さレベルは? -
第23回
グルメ
スシローが回転寿司チェーンの常識を覆す「べつばらクリーム」 -
第22回
グルメ
マックカフェ「アップルパイフラッペ」値段以上にめちゃおいしかった! - この連載の一覧へ