様々な業務課題を「Windows 10 IoT」で解決! 第6回
導入の不安は専門家・菱洋エレクトロに聞け
間近に迫ったWindows 7 EOS、その移行方法を改めて整理する
2020年01月06日 11時00分更新
すでに多くの場で話題に上っているように、“Windows 7のサポート終了”(EOS:End Of Support)が目前に迫っている。
OSにはリリース時に想定していなかった脆弱性が必ず存在する。そこでマイクロソフトは、Windows Updateを通じてこれらの脆弱性を修正するプログラムを配布し、常に安全な状態で使える環境を整えている。これがセキュリティ更新プログラムだ。Windows 7 EOS以降は、この“セキュリティ更新プログラム”の提供が終了する。
組み込み向けWindows 7のサポート終了期限
Windows Embedded OSには、用途に合わせた広いラインアップが用意されている。パソコン用に提供されているWindowsの機能をすべて持つ、Windows Embedded Enterprise & Serverの「FES」(FESはFor Embedded Systemの略)、OS開発ツールを使い必要な機能だけを取り入れられる「WEC/WES」(Windows Embedded Compact/Windows Embedded Standard)などだ。
サポート終了となるOS一覧 | ||
---|---|---|
製品名 | ライセンス区分 | サポート終了日 |
Windows 7 (Home/Professional/Ultimate) |
通常ライセンス | 2020年1月14日 |
Windows 7 for Embedded Systems |
Embedded ライセンス |
2020年1月14日 |
Windows Server 2008/2008 R2 |
通常ライセンス | 2020年1月14日 |
Windows Server 2008/2008 R2 for Embedded Systems |
Embedded ライセンス |
2020年1月14日 |
製品名 | ライセンス区分 | サポート終了日 |
Windows Embedded Standard 7 | Embedded ライセンス |
2020年10月13日 |
製品名 | ライセンス区分 | サポート終了日 |
Windows Embedded POSReady 7 | Embedded ライセンス |
2021年10月12日 |
このうち、FES版のWindows 7である「Windows 7 for Embedded」のサポート期限は、パソコン用のWindows 7 Professional/Windows 7 Enterpriseと同じ2020年1月14日までだ。また、組み込み機器と連携して使用する機会が多い、「Windows Server 2008/2008 R2」についても2020年1月14日がサポート期限となっている。
なお、POS用途に限定した「Windows Embedded POSReady 7」のEOSは、2021年10月12日と少しだけ先になるが、その差は1年9ヵ月であり、決して猶予のある話ではない。
Windows 7のサポート期限が切れたとしても、OSは起動し、いま使用しているアプリケーションを使い続けられる。しかし、Windows 7のセキュリティ更新プログラムが終了すれば、Windows 7に新しい脆弱性が発見されても、何の対策も施さず放置されることとなり、悪意のある攻撃に対して無防備な状態になる。
これは今後大きなリスクとなり、攻撃者にとっても、セキュリティレベルの低い、狙いやすいターゲットとして、Windows 7を使い続けている機器を攻撃する優先度が高まる。
Windows 10はパソコンのみのOSではない
Windowsの搭載機器というと、仕事で使っているパソコンを思い浮かべる人が大半だろう。しかし、この連載の第1回で紹介したように、銀行のATMや、コンビニなどのPOS端末、天井にぶら下がっている監視カメラ、駅などで見かける自動販売機、広告を表示するデジタルサイネージ、画像診断に利用する医療機器、工場を自動化する制御機器など、あらゆる場所でWindowsは使われている。
当然、Windows 7 EOSのインパクトはこういった機器にも及んでくる。
特に問題になるのが、Windows 10の仕様変更だ。Windows 10は以前のバージョンとは異なり、年2回のメジャーアップデートで新機能の提供が実施され、自動で適用される。そこで注目を浴びているのが、固定化モデルが利用できるWindows 10 IoTの存在だ。Windows 10 IoTは Windows Embedded 8以前のOSよりも導入のハードルが下がっており、検討している企業も多い。
特定用途を想定した組み込み用のWindowsは「Windows Embedded OS」(現在はWindows 10 IoT)と総称される。特徴は、供給期間がパソコン用のOSよりも長く、長期間の調達が可能であること、必要に応じて使う機能だけを取捨選択できる点などが挙げられる。
この連載の記事
-
第5回
sponsored
「薄さ」と「頑丈さ」を両立、ロジテックの堅牢タブレットが生産ライン現場をDX -
第4回
TECH
私たちの医療を支える、日本HPのWindows 10 IoT搭載ワークステーション -
第3回
デジタル
Windows 10 IoTで実現するVAIOの"ハイスペック・シンクライアント端末" -
第2回
TECH
顧客目線で選ぶとOSはWindows 10 IoTだった――「Endeavor JN40」で構築するPOSレジ -
第1回
TECH
なぜ街中に「Windows 10 IoT」があふれているのか -
TECH
様々な業務課題を「Windows 10 IoT」で解決! - この連載の一覧へ