振り切れたホンダ「S2000」
ロードスターRFの課題は、ルーフの開閉で激変する剛性感と操縦性にあります。
その点でホンダの「S2000」は、巌のようなクローズドルーフ並みの剛性が魅力です。合わせて硬い足回りと、9000回転も回るエンジンを組み合わせたレーシングカーのような設計ですから、走り屋にはたまらんわけであります。光岡・ロックスターと同様、本田技研工業創立50周年記念車ですから、こちらも気合いしかないようなクルマであります。
ところがすでに生産は終わっており、もう中古でしか買えません。新車は338万円という価格でしたが、近頃はどんどんと中古の値が上がって、最終型の2009年モデルなどは450万円を超えてきました。もともとが破格値だったうえに、あまり数が出なかったからでありましょう。
売れなかった理由は、ラゲッジスペースが限られ、実用性がなかったから。なーんて言われておりますが、トランクはロードスターより広いので、それは違うんじゃないでしょうか。突出した性能の割に見た目が凡庸。遊び車として使おうにも、中身が真剣勝負を挑んでくるので、広範な支持を得られなかった。というのが、私の想像です。
作り手の気合いを乗り手が受け止められるかどうかですが、状態の良い中古があれば、これは検討に値します。こいつと付き合うのは無理だと思えば、買い手はすぐに付くでしょう。
お値打ちポルシェ「ボクスター」とトヨタ「MR-S」
予算があれば、これまた頻繁にすれ違うポルシェの「ボクスター」だって買えます。もちろん中古ですが、第2世代のPDK仕様が300万円台から選べますから、現実的な選択としてあり得る気がしております。10年落ちでもポルシェでしっかりメンテされた個体なら全然平気でしょうから、ミッドシップ入門車として魅力的であります。
ただ、入門車という観点なら、圧倒的にお買い得なトヨタの「MR-S」もあるんですが、5台挙げたところで時間となってしまいました。あと14台も買ってしまったんですが。続きはまた次回!
訂正とお詫び:初出時、一部価格の情報に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます(2019年07月30日)。
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