海外では日本のスマートフォンメーカーの存在感が年々薄くなっています。とはいえ、ソニーのウルトラワイドディスプレーを採用したXperia 1/10シリーズは久しぶりに人気になっているようですし、アメリカでは京セラのタフな端末が今でも売られています。しかし、すでに日本から撤退したメーカーのスマートフォンが特定地域で販売されているのはご存じでしょうか。それがパナソニックのスマートフォンです。
インドではパナソニックのスマートフォン新モデルが年間数機種投入されており、価格の安さから人気になっているとか。パナソニックが日本で出していたころのハイエンドモデルではなく、大きい画面に性能の良いカメラを搭載した、コスパに優れたモデルを集中的に投入しています。しかも、それらの製品はパナソニックではなく海外のODMメーカーが製造しています。
6月中旬に上海で行われたCES ASIA 2019に出展していたKONKAのブースへ行くと、同社の最新スマートフォンが展示されていました。KONKAはTVで有名な中国の家電メーカー。中国や新興国向けにミッドレンジのスマートフォンを販売しています。
「N1」は6.19型HD+ディスプレーに1600万画素+200万画素のデュアルカメラ、CPUにHelio P22を搭載したミッドレンジモデル。4000mAhの大型バッテリーは急速充電にも対応するとのこと。ディスプレー上部に欠き取りのあるノッチデザインはちょっと前のデザインですが、価格は200ドル台後半とのことです。なお、海外向け版が展示されておりGoogle Play搭載、日本語ロケールも載っていました。
背面は光沢仕上げでグラデーションをかけた色合いは最近の流行を取り入れたもの。指紋が付きやすいのは、このクラスの価格の仕上げでは仕方ないところでしょうか。
このN1のカラバリモデルがあったので背面を見てみると、そこには「Panasonic」のロゴが入っています。このN1はパナソニックインド向けに展開しているということで、Konkaが一部の製品の製造を請け負っているというわけです。なお、インドでは「ELUGA Z1 Pro」として販売、カメラは1300万画素+200万画素と若干仕様を変更。価格は19999ルピー(約3万1000円)とのこと。
ブースには水滴型ノッチを採用する「N3」も展示されていました。ディスプレーサイズは6.217型、CPUがHelio P22で4000mAhバッテリーの搭載はN1と同じ。カメラのスペックは未定ですが1つは深度測定用とのこと。
このN3もパナソニックブランドで発売予定とのことです。型番は未定ですが、夏くらいにはインドで販売されるのではないでしょうか? 現在のパナソニックインドのスマートフォンはノッチディスプレーの製品が多く、このN3が投入されれば最新のディスプレーデザインの製品ということで人気になりそうです。
KONKAのスマートフォンは他の中国メーカーに押されて劣勢ですが、コスパがよく高品質な製品も多く、パナソニックなど有名メーカー向けの製品としての展開で生き残りを図っています。インドのパナソニックスマートフォンファンを増やすためにも、KONKAにはこれからもがんばってほしいものですね。
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