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さとうなおきの「週刊アジュール」 第99回

Azure DB for PostgreSQL/MySQLでリージョン間読み取りレプリカを構成可能に

AKSがWindowsコンテナーをサポート

2019年06月18日 13時00分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2019年5月12日~2019年5月18日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。

Azure Storage:Premium Files

 ストレージサービス「Azure Storage」の一機能「Azure Files」は、SMBプロトコルベースのファイル共有サービスを提供します。

 2018年9月のIgnite 2018カンファレンスで、Azure Filesの新しいPremiumプラン(Premium Files)が発表され、限定パブリックプレビューが始まっていました

 今回、Premium Filesのパブリックプレビューが始まりました。東日本、西日本リージョンでも利用可能です。

 SSDベースのPremium Filesは、既存のStandard Filesの20倍の容量(100 TiB)、100倍のIOPS(100,000 IOPS)を提供します。

Premium Filesのレイテンシ

Azure Virtual Machines:高速シャットダウン

 IaaSの仮想マシン(VM)機能を提供するAzure Virtual Machinesの電源オフコマンドで、正常なシャットダウンを強制的にスキップする高速シャットダウンがサポートされました。

Azure Virtual Network:パブリックIPアドレスプレフィックス、Azure Backupサービスタグ

 仮想ネットワーク機能を提供するAzure Virtual Networkdでは、2018年9月のIgnite 2018カンファレンスで、「パブリックIPアドレスプレフィックス」のパブリックプレビューが始まっていました

 今回、「パブリックIPアドレスプレフィックス」がGA(一般提供)になりました。

 パブリックIPアドレスプレフィックスでは、事前に予約済みのIPアドレス範囲から、VMやロードバランサーにIPアドレスを割り当てることができます。これによって、ファイアウォール規則の管理などが簡素化されます。

 Azure Backupは、バックアップ/復元サービスです。

 Azure Virtual Networkのネットワークセキュリティグループ(NSG)で、Azure BackupのNSGサービスタグが利用可能になりました。

Azure Kubernetes Service (AKS):Windows Serverコンテナー

 Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。

 Azure Kubernetes Service (AKS)で、Linuxコンテナーのサポートに加えて、Windows Serverコンテナーのサポートがパブリックプレビューになりました。

Visual Studio App Center:クラッシュレポートのテキスト検索/ユーザー別表示

 Visual Studio App Centerは、iOS、Android、Windows、macOSアプリケーションのビルド、テスト、配布、監視のためのサービスです。

 Visual Studio App Centerの診断機能で、クラッシュレポートのテキスト検索、ユーザーIDごとのクラッシュレポートの表示が可能になりました。

Visual Studio App Centerでのクラッシュレポートのテキスト検索

Azure Database for PostgreSQL/MySQL:リージョン間読み取りレプリカ

 Azure Database for PostgreSQLAzure Database for MySQLは、MySQL、PostgreSQLベースのリレーショナルデータベースサービスです。

 2月にAzure Database for MySQLの読み取りレプリカがGAになり、4月にAzure Database for PostgreSQLの読み取りレプリカがGAになっていました。この時点では、同一Azureリージョン内のレプリケーションのみがサポートされていました。

 今回、Azure Database for PostgreSQL/MySQLで、マスター サーバーがあるAzureリージョンとは別の任意のAzureリージョンに読み取りレプリカを作成できる、リージョン間読み取りレプリカのパブリックプレビューが始まりました。

 これによって、読み取り処理のスケールアウトに加えて、ディザスターリカバリー(DR)のためにも、読み取りレプリカを使えるようになります。

Azure Database for PostgreSQLでの読み取りレプリカを配置するAzureリージョンの指定

Azure Database for PostgreSQL:orafce拡張機能

 Azure Database for PostgreSQLが、orafce拡張機能をサポートしました

 orafceは、Oracle Databaseと互換性のある関数やパッケージを提供する、PostgreSQLの拡張機能です。これによって、Oracle DatabaseからAzure Database for PostgreSQLへの移行がより簡単になりますね。

Azure Database for MariaDB:低速クエリログのAzure Monitor統合

 Azure Database for MariaDBは、MariaDBベースのリレーショナルデータベースサービスです。

 Azure Database for MariaDBの低速クエリログのAzure Monitor統合が、GAになりました。これによって、低速クエリログをAzure Monitorログ、Azure Event Hubs、Azure Storageにエクスポートできます。

Azure Data Explorer:R言語

 Azure Data Explorerは、大規模データに対してアドホッククエリを実行できる、データ探索サービスです。

 Azure Data Explorerに対するR言語のインターフェイス「AzureKusto」が、利用可能になりました。AzureKustoを使うと、R言語からAzure Data ExplorerにKustoクエリを発行できます。

Azure Sphere:19.05

 Azure Sphereは、インターネット接続デバイス向けの組み込みの通信、セキュリティ機能を備えた、セキュアなアプリケーションプラットフォームです。Azure Sphereの認定を受けたパートナー企業のMCU(マイクロコントローラー)、LinuxベースのIoT専用セキュアOS「Azure Sphere OS」、Azureのセキュリティサービス「Azure Sphere Security Service」の3つで構成されています。Azure Sphereは、現在プレビュー中です。

 4月にリリースされていた19.04に続いて、Azure Sphere 19.05のパブリックプレビューがリリースされました。

Azure Active Directory:MFA/SSPRの登録エクスペリエンス

 Azure Active Directory(Azure AD)は、ID/アクセス管理機能を提供するサービスです。

 2月に、Azure Active Directoryの多要素認証(MFA)、セルフサービスによるパスワードリセット(SSPR)の統合された登録エクスペリエンスがアップデートされていました

 今回、Azure Active Directoryの条件付きアクセスによる、MFA/SSPRの統合された登録エクスペリエンスのサポートが、パブリックプレビューになりました。

Azure Active Directoryの条件付きアクセスによる、MFA/SSPRの統合された登録エクスペリエンスのサポート

 それでは、また来週。

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