Photoshop CCやPremiere Proの起動が劇的に速くなる!
大容量HDDを高速で使えるインテル® Optane™ メモリー搭載PCのススメ
2019年07月09日 11時00分更新
モバイルノートPCではSSD搭載モデルが主流になりつつある昨今だが、15.6インチ液晶を採用するいわゆる「A4ノートPC」ではまだまだHDD採用モデルが多くを占める。SSDモデルもなくはないが、高価だったりストレージの容量が少なかったりと、長年HDDモデルに慣れ親しんだユーザーにとっては心配ごとの多い選択肢になっているのではないだろうか。一方で、HDDモデルはSSDモデルと比べて体感速度が遅く、OSやアプリの起動、USBメモリーからのデータコピーなどで待たされるといった使い勝手の悪さがある。
そこで注目したいのが最近出てきた「インテル® Optane™ メモリー(以下、Optaneメモリー)搭載PC」だ。OptaneメモリーはHDDを高速化する特殊な記憶装置(=ストレージ)だ。Optaneメモリー搭載PCはHDDモデルでありながら、SSDモデルのようなサクサク動作を実現する。Optaneメモリー搭載PCを選び、大容量かつ高速なPC環境を手に入れよう!
Core i7&Optaneメモリー搭載PCで検証
Optaneメモリー搭載PCはさまざまなメーカーから販売されているが、今回は代表的なモデルとしてCore i7とOptaneメモリーを搭載するA4ノートPCを用意した。
15.6インチ液晶(1920×1080ドット)を採用した製品で、CPUは第8世代Coreプロセッサーにあたる「Core i7-8550U」を採用し、メモリーは8GBを搭載。Core i7-8550Uは定格1.8GHz、最大4GHzで動作する4コア/8スレッドの高速CPUなので、旧世代の低価格デスクトップPCにも負けない処理性能を誇る。
ストレージには毎分5400回転の1TB HDD、それを高速化する16GBのOptaneメモリーを備えている。DVDスーパーマルチドライブも装備しているので、自宅で使う据え置きノートPCとしては必要十分なモデルと言える。
検証したOptaneメモリー搭載A4ノートPCのスペック | |
---|---|
ディスプレー | ノングレア15.6インチTN液晶(1920×1080ドット) |
CPU | Core i7-8550U(4コア/8スレッド、1.8~4GHz) |
メモリー | DDR4-2133、8GB SODIMM(内4GBはオンボード) |
ストレージ | 1TB HDD(2.5インチSATA、5400rpm)、16GB Optaneメモリー(M.2 NVMe) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB 3.0(Type-C)、USB 3.0×2、HDMI出力、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、ギガビットLAN、4-in-1メディアカードリーダー(SD、SDHC、SDXC、MMC) |
バッテリー駆動時間 | 約4.5時間(JEITA2.0測定法) |
サイズ/重量 | 約378(W)×260(D)×22.9(H)mm/約2.2kg |
OS | Windows 10 Home 64bit版 |
ランダムリード性能が約300倍高速化
圧倒的な性能アップを実現
HDDモデルでありながらSSD並みのサクサク動作を実現する、というOptaneメモリー搭載PC。では、Optaneメモリーは実際にどのぐらいの効果があるのだろうか。ここからは上記で紹介したOptaneメモリー+HDD搭載PC(以下、Optaneメモリー搭載PC)を使って、その効果をじっくり検証していく。
比較に使用したのは、CPUやメモリーなどの基本構成が同じでOptaneメモリー非搭載のHDDモデル(以下、HDD搭載PC)。つまり、ストレージ以外の性能はまったく同じPCだ。Optaneメモリーのあるなしで、どれぐらい快適さに違いがあるかを中心にチェックしていく。
まずは定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 6.0.2」で、ストレージの最大性能をチェックしよう。
Optaneメモリー搭載PCは最大読み出し速度が922.2MB/s、書き込み速度では159.2MB/sを記録。一方で、HDD搭載PCは最大読み出し速度が127.6MB/s、書き込み速度が72.35MB/sと大きく下回った。Optaneメモリーを搭載することで、ストレージの性能は読み出し速度で約7.2倍、書き込み速度で約2.2倍も高速化したのだ。
ランダム読み出し/書き込み速度ではさらに速くなっている。4KB Q1T1の読み出し速度はOptaneメモリー搭載PCが112.6MB/s、HDD搭載PCは0.44MB/sと実に約256倍もの高速化を果たしている。また、4KB Q1T1の書き込み速度はOptaneメモリー搭載PCが68.86MB/sで、HDD搭載PCは0.655MB/sとこちらも約105倍速くなった計算だ。ここまで差が出ると、まるで別物のストレージと言っていいレベルだ。