Nokiaブランドでスマホや携帯を提供するHMD Global
今年のMWCでは5眼カメラのハイエンド機を投入
Nokiaブランドの携帯電話をリリースしているHMD Globalは、MWC19に合わせて「Nokia 9 PureView」など5機種を発表した。MWCのタイミングでは、2年連続で懐かしいNokiaのフィーチャーフォンを復活させて話題を呼んだが、今年は無し。
その代わりに、NokiaがSymbian末期に再起をかけて開発した「Nokia 808 PureView」の「PureView」部分を受け継いだ、「Nokia 9 PureView」が登場した。会場内のHMDブースで、APAC担当コミュニケーショントップのNicholas Lim氏に話を聞いた。
――ここ2年、Nokiaの懐かしい機種のリメイクで話題を呼びましたが、今年はなぜPureViewブランドの復活なのでしょう?
Lim氏(以下、同) 我々は目的のあるイノベーションを重視している。ファンは何に興味を持っているのかを調べ、そこに向けてイノベーションをするというやり方だ。
”ノスタルジー”として過去2年に2機種を発表したが、これらもファンのニーズがあったから。今年も同様で、Nokiaのイメージングソリューションに興味を持っているユーザーがおり、これに応えた。Nokiaは早い段階からカメラ付き携帯電話を投入したメーカーで、光学部分ではZeissと提携して、ハイエンドのカメラ付き端末を作っていた。この伝統を継続し、Nokiaファンに新しい形で届けたかった。
――カメラが付いたスマートフォンはたくさんあるが差別化は?
世界初の5台のカメラが同時に撮影する。背面には、3台のモノクロームセンサー、2台のRGBセンサー、深度センサー、フラッシュを搭載する。
シャッターボタンを押すと5台のカメラがそれぞれイメージを取得し、1つの画像にする。各カメラは12.2メガピクセルのセンサーを持ち、シャッターを押したときは大量のデータを処理しなければならない。各カメラが最大4つのイメージをキャプチャするので、240メガピクセルのデータ量となり、これを12メガのJPEG画像にする。
この処理を実現するにあたって、Light(多眼カメラの画像処理ソリューションで知られる企業)とクアルコムとの提携は欠かせなかった。特にクアルコムとの提携は重要で、Snapdragon 845の潜在性能を活かした。これまでは同時に動かせるカメラの数は3台だったが、2社で取り組むことで5台のカメラの同時動作を実現した。
――画像処理に要する時間は?
処理に多少の時間がかかることは認める。だが多くのユーザーには許容範囲のレベルだろう。
スマホのカメラにこだわるユーザーは増えている
高品質なカメラを搭載しながら699ドルの価格もアピール点
――Nokia 9 PureViewのターゲットユーザーは? 潜在市場はどのぐらい大きいと見ている? それともニッチ製品という位置付け?
プロの写真家と趣味の写真家がメインのターゲットユーザーだ。たくさん写真を撮るが、それほどクオリティーを気にしないというユーザーもいる。そのようなユーザーにはNokia 8.1を用意する。
PureViewは写真にこだわる人向けだが、スマートフォンのカメラのクオリティーは高くなっており、消費者もいいカメラを求めているのでニッチとは思わない。
たとえばファーウェイは高品質なカメラを搭載して成功している。消費者はスマートフォンでいい写真を撮りたいと思っている。
Nokia 9 PureViewの価格は699ドルで、カメラの品質を考えると必ずしも高価格ではなく幅広いユーザーに訴求できると見ている。
――以前のPureViewモデルの要素もどこかにあるのか?
開発チームには以前からNokiaにいた人もいれば、新しい人もいる。いいミックスだ。Zeiss側も当時のチームメンバーが残っている。
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