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アスキー的パソコン大解剖 第57回

小型パソコンを自作 最短10分で組み立てられるPC (1/4)

2019年03月02日 12時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトラショータ

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 自作PCは好みのスペックでPCを作れるというのがメリットだが、配線やねじ止め、パーツの選定など、知識や技術が必要な部分が多く、初心者にはハードルが高く感じられてしまう。実際始めてみればそう難しいものでもないのだが、経験がなければ心配になるのはもっともだ。

 そこでオススメなのが、ベアボーンを使ったお手軽自作。CPUやメモリー、ストレージを取り付けるだけでPCが完成するため、周囲に自作PCの相談ができるような人がない初心者でも、迷わず作れるのがメリットとなる。

 とくに小型PCベアボーンであればケーブルの配線すらないまま組み立てられるし、タワー型と違って場所も取らず、置き場所にも困らない。大きな液晶が使いたい、高速なCPUが使いたいといったように、ノートPCより高性能なPCが欲しいけど、タワー型を置く場所がないと悩んでいる人にもピッタリだ。

 今回はこの小型PCベアボーンとして、AMDのCPUを搭載可能で話題になっている「DeskMini A300」、そしてIntel CPU用の「DeskMini 310」、さらに小型の「NUC8i7BE」を中心に、組み立て方からその性能まで紹介していこう。

AMDファン待望の超小型ベアボーン「DeskMini A300」が登場

 実際に組み立てを始める前に、少しだけ小型PCベアボーンについて解説しておこう。

 ベアボーンは、ケース、電源、マザーボードなどがすでに組み込まれ、あとはCPUとメモリー、ストレージを取り付けるだけで完成するPC組み立てキットのこと。Mini-ITXの登場によって小型PCが作りやすくなると、これを使ったキューブ型ベアボーンが流行した。この流行が始まったのが00年代前半の出来事となるだけに、だいぶ昔の出来事だ。

キューブ型ベアボーンを今でも作っているのがShuttle。昨年の10月にもTDP 95Wの第8世代Coreに対応した「SH310R4」などを発売している。

 現在も売られている小型ベアボーンの中で、最もメジャーだと思われるのが、IntelのNUCシリーズ。これはキューブ型ベアボーンよりもさらにコンパクトなシリーズで、101.6mm(4インチ)四方のマザーボードを使ったもの。ケースに入った状態でも片手で持てるほど小さく、小型デスクトップが欲しいという人に人気のシリーズとなっている。ただし、このNUCは基本的にCPUがノートPC向けのものが採用されているということもあり、価格が高め。また、タワー型と比べてしまうと性能も見劣りしてしまうことが多い。

最初のNUCが登場したのは2012年。当時はベアボーンだけでなく、マザーボードの単体売りもしていた。

 ちなみにMini-ITXはVIAの提唱によるもので、インテル以外が提唱したフォームファクターとしては珍しく定着したものとなる。VIAはこれ以外にもより小さいマザーボードとして、Nano-ITXやPico-ITXなども提唱していたのだが、残念ながらどちらも定着しなかった。そのため、NUCのような特殊なものを除けば、小型PCベアボーンとしてはMini-ITXを採用したものが定番となっていたわけだ。

 こういった状況の中、よりコンパクトな汎用フォームファクターとして登場してくれたのが、およそ5インチ四方となる「Mini-STX」だ。2016年のCESで初めてマザーボードが展示され、Mini-ITXより小さいことから小型PC好きの人たちから注目されていた。

ASUSやECS、そしてASRockなどがMini-STX対応品を展示。とくにASRockの「DeskMini」は、ベアボーンとして登場していたことで、早期の発売が期待された。

 なかでも期待されていたのがASRockの「DeskMini」(DeskMini 110)で、コンパクトなうえ価格も安く、発売されるとデスクトップCPUが搭載可能な小型PCを望んでいた層に歓迎された。後にチップセットを「H310」へと変更した後継機、「DeskMini 310」も登場している。

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