IBM-PCシリーズが生産終了
PS/2シリーズを新たに投入
前回の最後に掲載した売上台数表であるが、互換機メーカーに押されていたとはいえ、1987年の出荷台数が少ないと思われるかもしれない。
機種/年度別売上台数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
IBM-PC | PC/XT | PC/AT | 合計 | |||
1981年 | 2万台 | 2万台 | ||||
1982年 | 14万台 | 14万台 | ||||
1983年 | 40万台 | 10万台 | 50万台 | |||
1984年 | 87万台 | 28万台 | 6万台 | 121万台 | ||
1985年 | 48万台 | 56万台 | 36万台 | 140万台 | ||
1986年 | 28万台 | 55万台 | 35万台 | 118万台 | ||
1987年 | 6万台 | 22万台 | 26万台 | 54万台 | ||
合計 | 225万台 | 171万台 | 103万台 | 499万台 |
データの出典は“Creating Strategic Leverage” by Milind M. Lele
実を言えば、この表は嘘は書いてないのだが、正確でもない。IBM-PCは1985年12月に、IBM-PC/XTとIBM-PC/ATは1987年4月にそれぞれ生産終了となっている。もちろんIBM自身は生産を終了しても流通在庫は存在するわけで、ショップは引き続き在庫を販売することになる。
とはいえ新規生産はもう終わっているわけで、どうしても販売台数は尻すぼみ式に減るのは避けられない。逆に言えばIBM-PCなど生産終了後にまだ34万台も売れたという見方もできる。
ではIBM-PCシリーズの生産を終了したIBMはどうしたかというと、その1987年4月にPS/2(Personal System/2)と呼ばれる、まったく新しいラインナップを投入した。
1987年4月に投入されたのは、下表に示す4製品である。ローエンドであるModel 30(*1)はデスクトップに小さくまとまるサイズだったが、ハイエンドのModel 80はタワー型の筐体になっている。
(*1) Model 30は、8086を搭載したモデルと、後に80286を搭載したモデル(こちらはModel 30-286などと称されることもある)の2種類があってわかりにくい。
PS/2のラインナップ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Model No. | 型番 | CPU | DRAM | ビデオ | FDD | HDD | Bus | 価格 |
Model 30 | IBM 8530 | 8086/8MHz | 640KB | MCGA | 720KB×1 | 20MB | XT | 1695~2295ドル |
Model 50 | IBM 8550 | 80286/10MHz | 1MB | VGA | 1.44MB×1 | 20MB | MCA | 3595ドル |
Model 60 | IBM 8560 | 80286/20MHz | 1MB | VGA | 1.44MB×1 | 44/70MB | MCA | 5295~6295ドル |
Model 80 | IBM 8580 | 80386/20MHz | 2MB | VGA | 1.44MB×1 | 44/115MB | MCA | 6995~8495ドル |
画像の出典は、The Centre for Computing History
画像の出典は、Centre for Computing History
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