電源スイッチの動作モードはワンタッチかトリガー
次の選択肢は、電源スイッチの違い。一度スイッチを押したら再度押すまで動作し続ける「ワンタッチ式」と、スイッチを押している間だけ動作する「トリガー式」の2種類がある。要するに、モーメンタリスイッチとオルタネイトスイッチの違い。
これも一長一短だ。ワンタッチ式は常にスイッチに手をかけておく必要がないので、手の届きにくいところを掃除するのに便利。ただし余計にモーターを回すので、バッテリーの消耗は早い。トリガー式は、メリットとデメリットが逆になる。私はドリルと同じ感覚で使えるトリガー式を選ぶことにしたが、家庭用の掃除機に慣れた人にはワンタッチ式の方が楽なはず。
ちなみにスイッチの方式に寄らず、スライド式バッテリー対応機にはLEDライトが付いていて、吸い込み口の方を照らしてくれる。暗所や狭いところで、便利なこともある。
売れ筋はスライド式10.8V
そんなこんなの選択肢から、全国のユーザーのみなさんが選び、ぶっちぎりで人気を集めているのが、10.8Vスライド式バッテリー対応、紙パック式でワンタッチスイッチの「CL107FD」だ。掃除機としてのコストパフォーマンスを考えるなら、やはりこれがイチオシの機種だと思う。
パワーを示す吸込仕事率32Wという数字は、ひとクラス上の14.4Vモデルの34Wとほとんど変わらない。実売価格は 1.5Ahバッテリーと充電器付きの「CL107FDSHW」で1万5000円程度。18V/6Ahバッテリー1個分のお値段で全部揃ってしまうのだ。
スライド式10.8Vバッテリーも、スマホの充電に使えるUSBアダプターをはじめ、LEDライト、ラジオ、コーヒーメーカーと対応機種に家庭用機器が揃っている。そればかりかスライド式10.8Vでしか使えないステレオラジオ「MR052」のような製品もある。
14.4Vや18Vバッテリーに比べると蓄えられる電力は小さいが、バッテリーの数を多めに備蓄することでカバーできる。若干割高にはなるが、少量の大容量バッテリーを持つより、充電ローテーションの谷間が小さくなるので、むしろ非常用として有利だ。
そんなことから、我が家のマキタ防災用品化計画においても、10.8Vスライド式バッテリーの採用は大いに検討された。しかし、唯一、個人的に納得のいかない点があったのだ。
それは掃除機が「白い」のである。