データ管理/バックアップ製品ベンダーのヴィーム・ソフトウェア(Veeam Software)は2018年11月1日、事業戦略に関する記者説明会を開催した。日本市場における業績は大きく伸びており、日本法人社長の古舘正清氏は「2022年には国内データ保護ソフトウェア市場でトップシェアを目指す」と意気込みを語った。
日本市場では昨年比2.4倍の売上、パートナー拡大でさらなる成長加速を目指す
説明会ではまずアジア太平洋・日本(APJ)地域担当SVPのショーン・マクレガン氏が、グローバルでの業績について説明した。
グローバルでのヴィームの2017年売上高は8億2700万ドル、顧客数は30万社以上に上る。順調なビジネス成長が続いており、「今年(2018年)の売上高はおよそ10億ドル規模になるだろう」とマクレガン氏は述べる。
APJ地域に限ってみてもビジネスは好調で、今年第3四半期の売上増加率は前年同期比42%増。特に日本市場では売上増加率が同 139%増、顧客数は同 78%増、パートナー数は同 90%増と、成長を急加速させている。ちなみに同期間の国内データ保護市場成長率は2%増程度とほぼ横ばいであり、競合ベンダーの既存顧客からシェアを奪っていることがわかる。
ちなみにヴィームは、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(EMEA)市場ではすでにトップシェアを獲得している。APJ市場では現在市場4位の位置付けだと、マクレガン氏は説明した。
続いて登壇した古舘氏は、マクレガン氏が示した数字を受けて「日本市場は世界で一番成長しているリージョン」だと紹介した。古舘氏が昨年12月に着任した当時は「パートナーもヴィームを知らない」ほどの知名度だったが、この1年間でそれも解消されたという。
着任直後、古舘氏が今年2月の事業戦略説明会で掲げたいくつかの施策については、着実に遂行が進んでいる。「エンタープライズビジネスの拡大」では金融、公共、製造の各領域でそれぞれ導入案件が生まれた。「パートナーエコシステム拡大」については今年、東京エレクトロンデバイス、ソフトバンク コマース&サービスとのディストリビューター契約を行い、さらに「来年に向けても倍増以上の計画を持っている」(古舘氏)。「クラウドパートナーの拡大」についても、NTTコミュニケーションズや日立システムズをはじめとした「国内のメジャーなクラウドサービスの中でも、ヴィームがサービスとして使われ始めた」とした。
なお国内では今年、太陽生命と慶應義塾の導入事例を発表している。いずれもバックアップに従来型の製品を利用していたが、仮想化環境の規模が拡大する中で「バックアップ処理が終わらない」という問題に直面し、その処理を短時間で実行できるヴィーム製品が選ばれたと、古舘氏は説明した。