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ユーザーとカシオの「繋がりの深さ」と「愛」に新開発技術で応える

カシオ35年前の初代G-SHOCK「DW-5000C」を手作業レストア!

2018年10月31日 10時00分更新

文● 飯島恵里子/ASCII

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シリコン型からベゼルをはずす

シリコン型からベゼルを取り出した

バリが内側に出るように、シリコン型を設計している

バリ取りも手作業。特殊な形状のニッパーを使用していた

バリがきれいに取れました!

G-SHOCKのロゴ部分の凹みに白いインクを入れる

ベゼルをお客様に預かった製品にセットして、完成!

 今回のレストアサービスの開始に先立ち、「カシオブランドに相応しい品質の部品が、お待ちいただいたお客様に提供できるのか」と内部で賛否両論あったようだが、この丁寧な手作業による工程を見ると、ファンの皆さんに「安心してください!」と記者は太鼓判を押したい。

 1つのマスターシリコン型からベゼルを作ることができる数は約20個、1日当たりの生産数は約20〜30個という体制のため、レストア希望の量がどれぐらい集まるのかが未知数という理由で、今回のサービスは期間限定となった。

 現段階ではレストアサービスに申し込み、ユーザーがG-SHOCKをカシオ計算機宛に発送し、カシオ計算機が受け取った状態からおよそ2週間ほどで、ユーザーのもとに返却できるのではと予想しているようだが、希望が殺到すると日数が長くなる。また、レストアの際に取り外したオリジナルのベゼルは、返却できないとのこと。

初代G-SHOCK 商品企画者のレストアサービスに対する熱い思い

 レストア工程を見学した記者は胸熱テンションになり、今回のレストアサービスに対して「カシオ計算機としてのコメント」を求めた。コメントを寄せてくれたのは、なんと初代G-SHOCKの商品企画に携わった現 カシオ計算機 取締役専務執行役員 開発本部長兼時計BU長 増田裕一氏だ。以下に、全文を紹介する。

カシオ計算機 取締役専務執行役員 開発本部長兼時計BU長 増田裕一氏

 「多くのお客様から古いG-SHOCKの修理依頼をいただいておりますが、長年使っていただいたものを、修理してさらに使い続けたいと思ってくださることに、初代G-SHOCKの商品企画に携わった私からすると感謝の気持ちでいっぱいです。

 しかし、これまでは古いモデルの修理には対応できず、お断りすることしかできませんでした。

「亡くなった父親からもらった初めての時計なので、どうにか直してもらいたい」

 そんな修理依頼を聞いた時には、G-SHOCKが思い出の品として長年ご愛用いただいたことに対するうれしさとともに、そこまで大切に思ってくださるファンのご要望にお応えできない申し訳なさで、胸が詰まる思いでした。

 その長年の思いを胸に試行錯誤を重ね、今回ついに一部のモデル、限られた期間ではありますが、ファンの皆さまの要望に応える第一歩を踏み出すことができました。思い出の詰まった品をぜひこの機会に蘇らせ、大切なG-SHOCKとともに新たな思い出を紡いでいただければと思います」


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