「VAIO、法人向く。」の現在を探る 第35回
Slackを軸に、VAIO Proを活用してみる
コミュニケーションの課題を、モバイルノートはどこまで解決するか?
2018年10月31日 09時00分更新
本格的に使いこなすなら、一覧性の高いパソコンはやはり使いやすい
Slackは、さまざまなプラットフォームで利用できる。
しかし、ある程度、本格的に使いこなそうとしたら、スマホよりもパソコンの大画面があったほうが非常に役立つというのが筆者の考えだ。
パソコンを使う利点としては、平行した作業のしやすさがある。
例えばSlack上で会話のテキストをやりとりしながら、資料を一緒に確認したり、決定事項をGoogle ドキュメントなどに記載していくのはスマホでは現実的ではない。また、複数のチャンネルを行き来したり、通知が来たときに、どこのチャンネル、どこのワークスペースなのかをすぐに把握しようとした場合も、スマホの小さな画面では限界がある。
PC版のアプリを利用すれば、複数のワークスペースに参加していても1つのアプリで管理でき、ワークスペースごとにすべてのチャンネルがが表示されるので、とても見通しがよい。仮にWindowsを使っているのであれば、タスクトレイに常駐させておき、いつでもアクセスできるようにしておくのがいいだろう。
作業する場所が自由なモバイルワークでも、モバイルノートとSlackの相性は非常にいい。メッセージのやり取りだけなら、スマホでも問題はないが、ファイルが添付されていたり、リンクが張られていたりすると、急に使い勝手が悪くなる。例えば、内容は確認はできるものの、それを直接編集して返すのは難しいし、そんなときだけパソコンを開いて作業する……というのは非常に効率が悪い。
また、ビデオ会議をする際にも利点がある。声や映像のやりとりだけなら、スマホのほうがやりやすいケースが多いと感じるかもしれないが、バッテリーを消費するし、会議中に電話がかかってきたりするといった不便さがある。
ただでさえ小さい画面に、さまざまな通知が表示されては落ち着かないはずだ。その点、モバイルノートとSlackの組み合わせであれば、作業をしつつ会議もでき、通知があっても画面が広いので邪魔にはならない。もちろん、スマホで作業するメリットもあるが、モバイルノートとの使い分けは考えたほうがいい。
Slackには、アプリを追加して連携する機能もある。
利用できるアプリは1500以上にも及び、APIを利用して自社用に機能追加することも可能だ。アプリとの連携としては、たとえばGoogleカレンダーと連携して、カレンダーを共有したり、リマインダーを設定して、チャンネルのメッセージとして投稿するといったものがある。こうすれば、メンバー全員がスケジュールを認識できるし、ToDoの確認などもしやすいだろう。
また、ツイッターと連携すれば、ツイッターに投稿されたツイートをチャンネルに自動で投稿したり、ツイートを共有したとき本文と添付メディアを表示するなどが可能になる。
このように、アプリとの連携をしていくことで、さらに作業効率を加速させられるし、従来にはない使い方もできるだろう。
先日Slackは、メールアプリの「Astro」を吸収することを発表。AstroはAstrobot Slackアプリを提供しており、Slackとメール、Office 365もしくはGoogleのカレンダーと連携できるようにしている。この吸収により、チャットにメール、カレンダーといったビジネスコミュニケーションの要を手に入れ、相乗効果をもたらすことになるはずだ。
これまでメールを主体にしつつ、グループウェアなどで情報管理をしてきた企業にとって、チャットツールの導入は革命的と言えるかもしれない。プロジェクト業務の議論を白熱させるだけでなく、他愛もない会話から生まれるアイデアを足掛かりに、プロジェクトを立ち上げることもできる。
会議室でみんな集まって議論することも大切だが、部署の壁を取り払って集うチャンネルを作ったり、SNSやウェブで収集したネタを投稿しあうだけのチャンネルを作り、そこからアイデアの芽を探したりといったライトな使い方も可能だ。
Slackで、すべての情報を集約しコミュニケーションの場にすれば、さまざまなツールやサイトを立ち上げずにすむ。ここはマルチスクリーンが利用できないモバイルノートでは嬉しい部分である。
このように便利なSlackだが、その活用にはモバイルノートを常にインターネットにつなげる環境を整える必要がある。マシン選びの際はLTEモジュール搭載したモデルを選ぶのが最適だ。
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