IFA 2018ではソニーやZTEからスマートフォン新製品が発表になりましたが、それ以外にも気になる製品を多く見かけました。その中から記事には取り上げなかった5機種をここで紹介しましょう。
ツートンカラーの背面仕上げがおしゃれ
HTC U12 Life
HTCはフラッグシップモデル「U12+」の下位モデルとなる「U12 Life」を発表しています。同じシリーズという位置づけながら、本体デザインは大きく異なり、また機能も一部省くことで価格を抑えたモデルになっています。ディスプレーは6型とU12+と同じですが解像度は低めの2160×1080ドット。CPUはSnapdragon 636を採用、メモリー4GB、内蔵ストレージ64GB、または6GB+128GBの2つのバリエーションがあります。カメラは1600万+500万のデュアルで片側は被写界深度測定用。フロントは1300万画素でこの画質はU12+を上回っています。
ディスプレーは18:9のワイド型ですがノッチは非採用。上下のベゼル幅がやや気になるところ。背面は上側1/3が光沢感を持たせ、その下部は横のストライプを入れるという凝った仕上げとなっています。なお傷がつきにくい加工がしてあるとのこと。またU12+などが搭載する、本体を握って操作できるEdge Senseは非搭載。その分コストを下げています。価格は300ユーロ前後とのこと。
ゲーマーのためのカッコいいスマホ
Nubia Red Magic
曲がるディスプレー採用の「Nubia α」を参考出展したNubiaですが、今年春に発売になったゲーミングスマートフォン「Red Magic」も展示されていました。ゲーム進行を妨げない通知OFFボタンを備えたり、背面中央のLEDライトが光るなどゲーマーのためのスマートフォンと言える製品です。
CPUはSnapdragon 835と一世代前なのが残念なものの、価格は日本円で3万円を切っており買いやすいのが特徴。ディスプレーは6型(1080×2160ドット)、メモリー6GB、内蔵ストレージ64GB、またはメモリー8GB+ストレージ128GBをラインナップ。カメラは意外にも高性能で2400万画素を搭載、フロントは800万画素です。中国では人気沸騰してなかなか入手できないとも。ゲーミングPC同様に外観にもこだわりがあり、背面に仕上げが特徴。なお無地仕上げは一般モデルで、模様の入ったモデルは中国で限定販売されたモデルとのこと。
ドイツで作られたスマホでヨーロッパを攻める
Gigaset GS185
Gigasetはドイツでスマートホームや固定電話を販売するメーカーで、もともとはシーメンスの一員という由緒あるメーカー。スマートフォンも数モデルですが手掛けています。IFA 2018で展示されていた「GS185」は5.5型ディスプレー(720×1440ドット)に、Snapdragon 425、メモリー2GB、内蔵ストレージ16GBという、普通のミッドレンジスマートフォン。カメラが前後1300万画素が特徴でしょうか。しかし、このGS185はドイツで作られたスマートフォンという点に特徴があるのです。
それだけのこと? と思う人も多いでしょうが、今や世界のスマートフォンはほぼ中国で生産されています。Gigasetも過去のモデルは中国のOEM工場で生産していましたが、今年6月からドイツの工場を稼働させ、このGS185は他社も含めアジアからヨーロッパへ生産拠点を移管した最初の製品となります。
まだスマートフォンの無い時代、多くのヨーロッパメーカーが自国や域内で携帯電話を製造していました。ノキア、エリクソン、シーメンス、ボッシュ、アルカテル、サジェムなど、今から10年以上前はヨーロッパこそ携帯電話の生産拠点だったのです。GS185を皮切りに、Gigasetはドイツでのスマートフォン製造を本格化させ、ドイツやヨーロッパ人の好みに合った製品をいち早く開発し、市場に投入していく考えです。
トルコの家電メーカーは美で勝負
Vestel V30
アジアとヨーロッパが融合する国、トルコの巨大家電メーカーとして有名なVestelも、ミッドレンジクラスのスマートフォンをヨーロッパや中東で販売しています。IFA 2018では同社初となるノッチ付きディスプレー採用の「V30」を発表しました。6.18型(1080×2246ドット)、19:9の大型ディスプレーを搭載し、CPUはMediaTekのHelio P23、メモリー4GB、内蔵ストレージ64GB。1600万画素+200万画素のデュアルカメラを搭載、フロントも1600万画素と高画質です。
背面は光沢仕上げでエキセントリックなカラーを採用。カメラは中央に上下に配置し、その下に指紋認証センサーを搭載します。写真では見えにくいのですが背面下部にはVestelのメーカー名の頭文字とシリーズ名でもある「V」のロゴが入っています。外観だけは他社のフラッグシップにも勝るとも劣らない、美しい製品です。
カメラを強化したミッドレンジモデル
Cubot P20
中国の中小メーカーも小さなブースを出してスマートフォンを展示していました。Cubotもその1つで、中国市場ではメーカーが多すぎて勝負にならないことから、ヨーロッパを中心に製品展開を行なっています。アマゾンなどのECを使うことで無店舗販売を行ない、数を伸ばしているとのこと。最新モデルの「P20」は6.18型(1080×2246ドット)ディスプレーに、2000万画素+200万画素のデュアルカメラを搭載した意欲作です。
CPUはさすがにMediaTekのMT6750Tとコストを下げ、メモリー4GB、内蔵ストレージは64GBという構成。4000mAhと大型バッテリーを搭載することで他社品との差別化を図ります。背面は濃いブルーを基調にグラデーションをかけたカラーリングですが、ファーウェイの「HUAWEI P20」のトワイライトカラーをインスパイアしているような。
まあこのカラーリングが今年のトレンドなのでしょうが、今やファーウェイがスマートフォンのデザインをリードする時代になったと言えるのでしょう。
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