シングルカメラながら撮影画質は満足必至
Xperiaはカメラ性能が高く評価されているスマホだ。Xperia XZ2は、前モデルと同じく約1920万画素の「Motion EYE」カメラシステムを採用。ソニー製の「Gレンズ」、1/2.3型のメモリー積層型イメージセンサー「Exmor RS for mobile」、そして、ソニーのデジタル一眼カメラでも用いられる画像処理エンジンをXperiaに最適化した「BIONZ for mibile」で構成される。シャッターチャンスを逃さない「先読み撮影」や、スーパースローモーション撮影などに対応していることがアドバンテージで、スーパースローモーションは初めてフルHD画質でスロー再生に対応した。
「カメラ」アプリの使い勝手もシンプルでわかりやすく、ほとんどの撮影シチュエーションでは初期設定の「プレミアムおまかせオート」で撮影できる。最近、AIによるシーン・被写体の認識機能をアピールする機種が増えているが、Xperiaの「プレミアムおまかせオート」は、その先駆けのような機能と言ってもいいだろう。「先読み撮影」は「オート」に設定しておくと、被写体が動くシチュエーションで、自動で有効になる仕組みだ。
撮影画質は見たままに近い色で、室内や曇天でもかなり明るく撮れ、夜景もシャープな画質が得られた。
※作例は原寸大で掲載しています。データ通信量に度注意ください。
デュアルカメラを搭載するスマホが増えているので、個人的にはシングルカメラでは物足りなく感じるのだが、実際に撮影してみると、ほとんどの被写体はシングルカメラでフォローできそうだ。XZ2のカメラは、かなり被写体に近づいてもピントが合うのだが、そうしたクローズアップ撮影を行った場合、ほどよい背景ボケも得られる。「どうしてもデュアルカメラを使いたい」というのであれば、Xperia XZ2 Premiumを選ぶといいだろう。
なお、前モデルも4Kビデオの撮影に対応していたが、XZ2では4K HDRビデオでの撮影にも対応している。筆者は、残念ながら4K画質での再生環境を持っていないのだが、4Kディスプレーを持っている人には、動画撮影機能も大きなアドバンテージとなるだろう。
「4K HDR」で撮影した動画作例。21秒で91.1MBだった
フロントカメラは、前モデルは約1320万画素と高画素だったが、XZ2は約500万画素へとスペックダウンしている。しかし、セルフィー画質は及第点。人物や静物を撮影して3D画像を作成できる「3Dクリエーター」は、XZ1では背面のメインカメラのみの対応だったが、XZ2ではフロントカメラでも利用できるようになっている。
パフォーマンスは現行機種でトップクラス
初期搭載OSはAndroid 8.0。CPUにはSnapdragon 845(2.8GH×4コア + 1.8GH×4コア)を採用し、メモリーは4GB、内蔵ストレージは64GBという構成だ。
「Antutu Benchmark」アプリで、ベンチマークを測定したところ、「260713」という高スコアをマークした。上位モデルのXperia XZ2 Premiumと同等の結果で、現在発売されているスマホの中ではトップクラスのパフォーマンスを期待していいだろう。
Xperia XZ2から搭載された新機能に「ダイナミックバイブレーションシステム」というものがある。音楽や動画、ゲームを楽しむ際に、音やアクションに合わせて振動する仕組みで、振動の強度は選択でき、オフにもできる。必ずしも必要な機能ではないが、映画を観たり、ゲームをプレーするときの臨場感が増すのは確かだ。
Xperia XZ2は本体の上下にスピーカーを内蔵し、横向きにすると左右にフロントスピーカーが位置するスタイルになる。前モデルから音量が約20%アップされており、かなりボリュームをあげても、音が割れたり歪んだりしないことも魅力だ。
【まとめ】Xperiaユーザーの2年以上ぶりの機種変更にオススメ
Xperia XZ2は、前モデルから大幅なデザイン変更が行なわれたものの、機能面では前モデルから継承するものが多く、マイナーチェンジという印象が強い。Xperia X Performance、Xperia Z5など、2年以上前に発売されたモデルからの機種変更であれば、進化の恩恵にあやかれるであろうが、Xperia XZシリーズ(XZ//XZs/XZ1)からの機種変更は慎重に検討すべきだろう。ディスプレーやカメラの性能を重視するなら、上位モデルのXperia XZ2 Premiumを選ぶのが得策だ。
ただし、Xperia XZ2 Premiumは、スペックが高いからと言って、全方位でXperia XZ2より優れているというわけではない。持ちやすさではXperia XZ2に軍配が上がるし、ディスプレーの解像度はXperia XZ2のほうが低いものの明るさでは勝るように感じた。
また、Xperiaシリーズは、従来通りの開発サイクルであれば、年内に “Xperia XZ3” が発表・発売されることが予測される。迷うのであれば、待つのも一考だ。

この連載の記事
-
第558回
スマホ
手のひらサイズでサッと開く!モトローラ「razr 60」を使って感じた驚きの軽さと操作感 -
第557回
スマホ
「ハッセルブラッドウルトラクリア」で撮る世界に感動! OPPO Find X9シリーズは爆速快適に写真を撮りまくれる -
第556回
スマホ
世界初の「水冷」搭載ゲーミングスマホ「REDMAGIC 11 Pro」を日本上陸前にチェック! -
第555回
スマホ
プロ級撮影 × 超速ゲーム! 「Nubia Z80 Ultra」がもたらすハイスピード革命 -
第554回
スマホ
AI機能も強化のOPPO「Find X9」は特大バッテリーに高画質カメラを搭載! 日本上陸が待ち遠しい! -
第553回
スマホ
「Xiaomi 17 Pro Max」はiPhone 17 Pro Maxのようでサブ画面まで! ケースを付ければゲームも! -
第552回
スマホ
超人気ファンタジードラマとガチコラボの「realme 15 Pro 5G Game of Thrones」レビュー -
第551回
スマホ
Pixelの大画面はどちらが正解? Pixel 10 Pro XLと10 Pro Foldを比較レビュー -
第550回
スマホ
2万円台で11型&90Hzの快適さ! 「OPPO Pad SE」は動画と日常使いに最適な万能ミドルタブだ! -
第549回
スマホ
新生FCNTの“本気”を感じる8万円台ハイエンド「arrows Alpha」がかなりイイ! -
第548回
スマホ
AIスマートグラス対決! HTC「VIVE Eagle」とシャオミ「Xiaomi AI Glasses」を比較した - この連載の一覧へ











