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夏休みの自由研究「水耕栽培」でチンゲンサイを植えてみた

2018年08月25日 12時00分更新

文● 四本淑三

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種をジャケ買い

 で、いろいろ調べてはみたものの、考えるのが面倒になってきたので、もう名前だけで種を選ぶことにした。ホームセンターに行くと、まるで文庫本やCDのようにタネの袋が陳列されていて、実に楽しいわけである。そこでタネのジャケ買いを試みた。

 まずピンと来たのが「チンゲンサイ」。日本では主に中学生男子が、このうち1文字を抜かして読みたがることでも知られる野菜だが、茹でても炒めても美味しい。姿形は葉菜のようだが、夏に強い野菜と言われているのもいい。デンマーク産で発芽率85%という数字も心強いが、「酷暑期は発芽不良、生育不良の原因になりますので、種まきは控えてください」とジャケットに但し書きがある。ううむ。

 続いて「スティックセニョール」。やぶから棒というか、セニョールからスティック。旦那から棒である。大丈夫なのか。さらに追い打ちをかけるように、別名を「茎ブロッコリー」と言うらしい。もう名前で選ぶならこれに決まりだ。私が子供の頃にはなかった野菜だが、いまどきの男子中学生は大喜びだろう。実にうらやましい。

 野菜としては別名のとおりブロッコリーの一種で、食味はアスパラに近いんだとか。なにしろ食べたことがないので、その点でもチンゲンサイより惹かれる。このタネはチリ産で、発芽率は80%。これもなかなか優秀。寒冷地の蒔きどきは8月中旬までなので、露地栽培ならいけるが、果たして室内ではどうなのか。

 さらに悪ノリして「さつきみどり」と「モロッコ」も買ってしまった。これまたタネとして含蓄のある実に素晴らしい名前だ。どちらも50日で収穫できるツルなしいんげん豆。どうしてこんな名前になったのか教えてほしい。一部世代にしか通じないことを言うと、関係者は1970年代に11PMを観過ぎたのではないか。

チンゲンかセニョールか

 さて、名前で選んだはいいが、どれを実際に植えるかを考えるのすら面倒になってきたので、某短文投稿サービスでアンケートをとってみた。

 結果、チンゲンサイとスティックセニョールが同率1位ということに。ううむ。

 ネットで調べてみると、チンゲンサイは水耕栽培の実績も豊富で、安心要素は高い。しかし、光補償点はわからずじまいで、光飽和点については85klxというトマトを超える値を記した文書もあった。これで行くと、光補償点も相応に高い可能性はある。

 が、このチンゲンサイは「極早生ミニ」で、10~15センチ程度にしかならない品種らしく、30日で収穫できる。スティックセニョールは、もうなにもかもが魅力的だが、収穫まで90日かかってしまい、夏の自由研究の範囲には収まらない。

 ということから、ここはチンゲンサイで行くことにした。種の選択が失敗だったとしても、30日でそれが判明するのが決め手だ。

 種まきについては、先に水に浸したウレタンの培地で発芽させておき、成長の良さそうなものをie・naに移す、という確実性重視の手もあるのだが、ここは発芽率85%にかけてみることにした。ie・naの栽培プレートに直まき(?)である。

 付属のウレタン培地の中央には、あらかじめ十字の切り込みが入っているから、ぬるい水を含ませ、切り込みに種を置くだけで種まき完了。ウレタンの水分が蒸発しないようラップをかけておくと、翌朝にはもう種の殻を割っている個体があった。さすが極早生。

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