パソコンをいつまで使って、いつ入れ替えるか。
特に専任担当者を置けないSOHOや中小企業にとって、頭を悩ます問題ではないだろうか。情シスの担当者がいて「5年ごとに更新する」など方針を決めていれば、それに向けて予算を組むこともできるだろう。しかし総務などが兼任する企業では、予算取りだけでなく、一斉にOA用パソコンを入れ替えるのも困難だろう。
ただ、パソコンの入れ替え時期を決める判断をするにはいくつかのポイントがある。それを知っておけば、予算確保や節税対策などもできるはずだ。ここではパソコンの切り替え時期について考えてみたい。
古いパソコンは快適性を下げ、生産性を落とす
Windows 7の延長サポートは2020年に終了する。
いま導入するならWindows 10搭載のパソコンが最適だ。Windows 10がリリースされた2015年に出た、ノークリサーチの調査では、企業の26.5%が「導入済みのパソコンはできるだけ長く利用し、買い替えは極力避ける」と回答していた(参照:ノークリサーチ「中堅・中小企業のIT投資の実感と展望レポート」)。
一般的には、一度購入したパソコンは故障したり、Windows 7のサポートが終了するなど外部的な要因がないと購入しなおすことはないのかもしれない。確かに最近のパソコンは故障も少なく、性能も向上しているため、5年、6年と使い続けていても不満を感じないという人もいるだろう。
その一方で、着実に性能が向上し続けているのもパソコンだ。4、5年経つとさまざまな最新技術が投入されるため、最新マシンと比較すると、かなりの性能差を感じることになる。また、OSやソフトウェアも最新技術を搭載したマシンを基準に開発されるため、古いマシンでもきちんと動作はするものの、動きが遅くなったり、快適性が失われていったりする傾向にある。
たとえば、Wi-Fiの規格としてIEEE 802.11acがある。従来の11nと比較して数倍速い高速通信が可能で、2012年ごろから対応製品は出回っているが、本格的にマシンやルーター、スマホに搭載されだしたのは4年ほど前からだ。最近は仕事でクラウドサービスを活用するなどネットの重要性がより高くなり、大容量のファイルをやり取りすることも当たり前だ。オフィスであれば、Gigabit Ethernetの有線接続を使えばいいと思うかもしれないが、昨今の働き方改革により、オフィスだけでなく外出先や自宅からでも作業する機会は確実に増える。ケーブル接続なしで、持ち運んですぐ使える環境が望ましい。
パソコンはずっと使っていると、その“遅さ”に気が付きにくいかもしれない。比較対象がないため、これが当たり前と思い込んでしまうからだ。しかし、ストレージひとつとっても、HDDからSSDへ、さらにSSDでもSATAからPCIe接続へと移行。OSやソフトの動作に大きく影響を与えている。このように、年々技術が進化する中で、マシンの快適性はかなり変わるのだ。
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