Huaweiの新型ノートPCは13.9型3:2画面にGeForce搭載で最強モバイルなのである
MateBook X Pro 試用レポート=超挟額縁で軽いのに高速だった~~!!
2018年07月12日 11時00分更新
Huaweiは2月のMWCで世界向けに発表した新型ノート「MateBook X Pro」と「MateBook D」を、日本でも5月にリリースした.
特に参加したジャーナリストの注目を浴びたのが「MateBook X Pro」で、昨年発売したXの上位モデル.13.9型の超薄型+狭額縁+3対2画面+GPU搭載のプレミアムなモバイルノート.スペックといい実機といい、スマホの祭典なのにみんなが「ほっし~~」とつぶやいたPCなのである.
日本向けの製品版が届いたので試用レポートをおおくりしますね~
WindowsPCは3対2に先祖返りするのか!?
13.9インチという絶妙なサイズ
HuaweiのMateBookシリーズは、タブレット型2in1の「E」と13型「X」そして15型「D」の3機種が販売されているが、Xは元々トンガったモデルで液晶が3対2比率のクラムシェルで、7Gのコアi7/5を搭載しているにもかかわらず、冷却ファンがない.対してDはレガシーインターフェースにHDDも搭載できる実用モデルなのである.
ではX Proはどうなのかというと、その名のとおりXの上位モデルで、ひとまわり大きい画面とパワーを持ったモバイルノートなのである.
まずサイズだが、液晶は13.9型の3:2で、解像度もジャスト3000×2000ドットである.どこかで聞いた数字だなあと、はいそのとおり、SurfaceBookと同じなんですよね.ただしサイズはSurfaceBookのうほうが13.5インチで、こちらは13.9インチなので画面サイズは大きいことになる.
画面の表示部分は実測で293×196ミリと、13.5インチより、横8ミリ、縦6ミリ大きい.面積は574平方センチである.MateBook Xの画面は実測で275×183ミリで503平方センチだったので、X Proのほうが14%広いことになる.
解像度はXの2160×1440ドットが3000×2000ドットと約39%も上がったので、精細感は非常に高い.また、明るさは最高で450nitと明るく、コントラスト比も1500対1と高いうえ色域はsRGB100%カバーと、モバイルノートとしては最高レベルだ.
タッチ対応のためか表面が光沢なのがおじさんとしてはちょっと気に入らないので、次回はぜひ同じ解像度でノンタックチ・ノングレアモデルも用意していただけるとありがたい.
本体サイズは304×217×14.6ミリで、画面占有率は91%と、MateBook Xの88%よりさらに「激しく狭額縁」している.SurfaceBookは312×232ミリ、SurfaceLaptopも13.5型で308×223ミリである.13.9型なのに、より小さいX Proの狭額縁ぶりがよくわかる.
モデルとしては上下2つある.上のモデルはCPUがi7-8550Uにメモリ16GB、そしてNVIDIA様のGeForce MX150にVRAM2GBを内蔵、SSDは512GBだ.
下位モデルはi5-8250Uにメインメモリ8GBでGeForceは非搭載、SSDは256GB.ボディーカラーはともにスペースグレーで、特に内側は黒に近いダークな仕上がりがとても落ち着くのである.
話題のキーボード組み込みカメラは
やはり見上げるカタチになる
狭額縁をつきつめると、WEBカメラの設置場所に困ることになるのだが、X Proはキーボードのファンクションキーのひとつに組み込んでしまっている.押すと飛び出して、押すと引っ込む方式だ.
WEBカメラを頻繁に使う人には、顔を下から見上げるカタチになるのと、液晶側にあるときには仰角を調整できたのが、キーボード側なのでやりにくい.場所はここでもいいので、角度調整ができるようになるといいだろう.
キーボードの横幅は275ミリで、13型のMateBook Xと同じサイズで同じ配列である(カメラ部分をのぞく).キーの配列は破綻がなく、日本語独自キーも小さくない.きちんと設計された日本語キーボードはキモチがいいのである.
キータッチもXと同じで、薄型デザインのわりにはストロークも十分あり、クリック音も静かで会議でも安心してタイピングできる.
タッチパッドは120×77ミリと、このサイズのノートとしては広めで、表面はツルツルではなく少し摩擦があるタイプだ.クリックはキモチいいが、ストロークが長めで、若干音がするので、ここはさらなる静音化をお願いしたい.キーボードは「防滴」ということだが、コーヒーはこぼしても大丈夫なのか不明.まあひとつの安心にはなる.
ドルビー・アトモスの4スピーカーと
指紋センサーで極楽気分だっ
サウンド機能はXと同様に「ドルビー・アトモス・サウンドシステム」を搭載.キーボードの左右に、ツィーター×2とサブウーハー×2の計4台のスピーカーを内蔵しており、「薄いノートPCは音がイマイチ」という常識を覆している.このあたりも、13型よりひとまわり大きいボディのおかげである(後述のマシン内部写真でよくわかる).
キーボード右奥の電源ボタンには、こちらもXと同様に指紋センサーが組み込まれていて、ワンタッチで起動と認証が行われる.
Xのレポートでも書いたが、この指紋センサー内蔵電源ボタンは、スマホと同様、どのメーカーもマネしてPCに付けるべき機能だと思う.小型ボディでいい音を鳴らすのも、瞬間に指紋を認証するのも、さすがスマホで研究しつくされた技術の結晶という感じだ.
MateBook X ProのインターフェースはUSBのタイプC×2とタイプA×1の3つとヘッドセット端子のみである.タイプCは両方とも充電が可能で、手前のほうはThunderbolt3を兼ねており、4Kモニターや外部グラフィックボックスなども接続できる.
タイプAは本体の右側奥にあり、USBメモリーやマウスも直接つなげられるのは便利だ(3.0).最高で5V2Aの出力が可能ということでスマホの充電にも便利である.
重さはスペック上1.33キロとあるが、実測すると1304グラムと若干軽かった(上位モデル).ACアダプターはケーブル込みで196グラム.合計するとちょうど1500グラムとなる.GeForceを持ち歩ける恩恵を考えれば軽いのだ.
ベンチマークテストは
GeForce MX150の威力全開
速度を計測した試用モデルは上位のi7-8550U+GeForce MX150搭載機で、おなじみのCINEBENCHのCPUスコアは555と、同じ構成のMateBook Dを上回った.CPUスコアだけだと、他社のモバイルノートで600を超えるマシンもあるが、OpenGLは101という値が出た.内蔵グラフィックのみだと50前後なので、2倍速いことになる.まさにGeForce MX150の威力である.
3DMARKのFireStrikeの値は期待を上回る2604が出た.内蔵グラフィックモデルでは1000前後なので、その2.5倍の速度である.すべてのとはいえないが、3Dゲームも遊べる値である.
13型のMateBook Xはファンレスだったが、X ProはもちろんGeForce搭載なので、きちんと冷却用のファンを搭載している.ベンチーマクテストを繰り返すと、ファンが全開となるが気になるような金属音はしない.底面はそこそこ温かくなり、キーボード面も奥にいくほど温かくなる.
SSDの速度はCrystalDiskMarkで計測.マルチのシーケンシャルリードが3168、ライトが1143とPCIe接続のSSDとしては平均的値で、利用上ストレスは感じない.試用モデルは東芝のKXG50ZNVを搭載していた.
バッテリーの持ちはいつものとおりBBenchで、最高速度、最高輝度、省エネオフの最厳条件で計測したが、約3時間30分持続した.これだけ明るくて広い液晶をドライブして3時間以上持てば合格である.バッテリー容量は56Whとモバイルノートとしては多めなので、輝度を落とせば、さらに長持ちするマシンなのだ.
充電時間は、上記の放電と同条件で利用しながらで、50%までが45分、70%までが77分、90%までが2時間と、こちらも56Whというバッテリー容量を考慮しても高速である.ACアダプターは20V3.25A=65W出力と、MateBook Xの40W型より強化されているのが効いている.
14型プレミアムノートのお手本
広大な画面とGPUで最強なのだ
3対2の画面は使い慣れると、特にお仕事には便利である.WEBブラウジングは上下スクロールが基本なので、時代は縦長なのだ.そして、Xの試用レポでも言ったが、せっかくHuaweiの製品なのだから、LTEモデムをぜひ内蔵してほしいものであ~る.
13.9型で1.3キロは、日本のモバイルノートと比べると決して軽くはないが、しっかりとしたボディに十分なバッテリーにMXまで積んでいるからオッケー.小さなボディに明るい大画面、グッドサウンドに便利な指紋認証、GeForce搭載と、まさに「プレミアム」なモバイルノートのお手本マシンなのである.
執筆時点のヨドバシ価格は上位モデルが22万6580円、下位が16万1780円でもちろん10%ポイント還元で、実質約20万円と15万円である.あこがれのプレミアムマシンとしてはかなりお買い得なので、すぐに買っていいPCなのであ~~る.