日本で初めてICOを実施する自治体の狙い:
仮想通貨に取り組む日本のすごい村 岡山県西粟倉村の挑戦と課題
2018年06月22日 09時00分更新
当局としての考え方を示す時期がきた
西粟倉村は、すぐに資金調達を始めるのではなく、金融庁を含む関係機関との調整や、規制の動向を見極めたうえで、2020年度までにICOを実施したい考えだ。
多くの大企業がある東京都のような大都市とは違って、地方の市町村の税収減は極めて限られている。国からの補助金や交付金は「ひも付き」とも呼ばれ、自治体側の自由度は限られる。
自治体によるICOは、こうした状況を変える起爆剤になる可能性を秘めている。ただ、どのような形で実施できるかは、不透明な部分が多い。金融庁は「ICOでトークンを買うなら気をつけて」という注意喚起は繰り返し発しているが、「実施するなら、こういう形で実施してほしい」といった前向きな指針は示していない。
そろそろ、監督当局として明確な考え方を示す時期が来ているのではないだろうか。
筆者──小島寛明
1975年生まれ、上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒。2000年に朝日新聞社に入社、社会部記者を経て、2012年より開発コンサルティング会社に勤務し、モザンビークやラテンアメリカ、東北の被災地などで国際協力分野の技術協力プロジェクトや調査に従事した。2017年6月よりフリーランスの記者として活動している。取材のテーマは「テクノロジーと社会」「アフリカと日本」「東北」など。著書に『仮想通貨の新ルール』(ビジネスインサイダージャパン取材班との共著)。
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