MWC 2018で発表されたノキアのリバイバルフォンである「Nokia 8110 4G」。本体は側面から見るとバナナのようなカーブを描いており、テンキーはスライドカバーに覆われています。しかも4G対応、Wi-Fiも搭載しているのでスマートフォンからテザリングして使うこともできそう。通話とちょっとしたネット&4Gルーターとして使えるわけです。
しかし、発表から3ヵ月がたっても筆者の住む香港では発売になっていません。友人が5月末にタイ・バンコクへ行ったところ、すでに販売されており購入したとのこと。自分もタイに飛んで買っちゃおうかと思ったものの、フィーチャーフォンを買うのに旅費がもったいと思いとどまりました。
そういえば昨年の初代リバイバルモデル「Nokia 3310」は中国でも早い時期に発売になったのでした。なので中国に行けば売っているだろう! とさっそく深センへ。ところが深セン電脳街に行ってもNokia 8110 4Gの姿はありません……。
いくつかのお店に聞いたのですが、反応も薄め。Nokia 3310はベストセラーだったので今でも知っている人は多くいます。一方、Nokia 8110は元々高価だったこともあり、使っていた人はそれほど多くありません。映画で有名だったものの、後継モデルの「Nokia 7110」と間違う人もいるくらいで、3310ほどメジャーではないからかもしれません。
しかし「8110は無いかー」と街をさまよっていたところ「こっち、来てみる?」と怪しい声が。ついていくと、ありましたよ端末が。もちろん本物ではありません。
この手のコピー端末、中国ではかなり絶滅しています。だって1万円以下でシャオミの低価格スマートフォンが変える時代に、たとえ1000円でもフィーチャーフォンを買うメリットはありません。みんなWeChatでサクサクコミュニケーションを取るのがあたりまえ、そしてスマートフォンでQRコードを読み取って現金不要の毎日を送っています。安物コピーなフィーチャーフォンの需要ないのです。
でも最新モデルでノキアとなれば、まだ作る会社があるようです。携帯電話の裏市場に行くと、数店舗に1軒の割合で扱っているようでした。しかもオリジナルにはない赤もあるなど、少しでも売れるようにと頑張っているようです。
せっかくなのでデキはどうかと見せてもらうと「いま動くのはこれだけだ」と黒いボディーの端末が出てきました。側面を見るとわずかにカーブしていますが、オリジナルはもっと曲がっていた気がします。
それに仕上げも気になります。特にスライドカバー。ところがよく見るとカバーがありません。テンキーがそのまま。「こっちのほうが使いやすいだろう」とお店の人はいいますが、そうじゃないでしょ。オリジナルを勝手に改変したら、コピーの意味ありません。というか、カバーがなければ、ただのケータイです。
ちなみにデュアルSIM対応ですが、GSMのみ。つまりそのあたりで売っている、激安フィーチャーフォンと中身は変わりません。せめて3Gでも乗っていれば買おうと思ったのですが、これでは人に見せても自慢にもならないのでやめました。
コピー端末が絶滅状態とはいえ、このレベルの製品しか出てきていないのはちょっと残念。やはりタイに飛んでオリジナルを買うべきなのかなあと、今でもノキアマニアな筆者は悩むのでした。
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