「Razer Blade 2018」は6コアで1070で液冷で激薄で挟額縁なのだっ!!
Razerが世界最小の15型ゲーミングノートPC「新Blade」発表!!
2018年05月22日 16時01分更新
米Razerは5月22日に、世界最小の15型ゲーミングノート新「Razer Blade」を発表した.14型の2017年モデルとほぼ同サイズのボディに、狭額縁の15.6型液晶を搭載.
第8世代コアの新6コアCPUに、GeForce GTX1060/1070を積んで中身も外観も完全な新デザインだ.ゲーミングにもVRにも十分なパワーを持ちながら、ボディの厚みは16.8ミリと前モデルより薄くなっているのが特徴である.
2013年に登場したRazer Bladeは
モバイル・ゲーミングPCの革命児だ
ご存じのみなさんも多いと思いますが、Razer社は米国のゲーミング機器メーカーで、プロゲーマーにも愛用者が多いトップブランドだ.
2013年に発売した「Razer Blade」は、ソリッドデザインのスリムノートに4コアCPUとGeForce GTXを搭載した、それまでにない薄型のモバイル・ゲーミングPCとして世界を驚かせた.まさにモバイルPC界のスーパーカー的存在で、自分も初代モデルを個人輸入して、たっぷり楽しませていただきました・・・
その後も、液晶やCPU、GPUをバージョンアップして、2017年には第7世代(7G)コアとGTX10XXシリーズを搭載した6世代目のBladeが登場.液晶は4Kが選択可能となった.
RazerのPC製品は、薄型軽量でGeForceを搭載しない「Blade Stealth」が液晶13.3型3200×1800ドットにi7-8550U搭載で約1.4キロ、「Blade」は14型でFHDまたは4Kにコアi7-7700HQ+GTX1060を搭載して約1.9キロ、「Blade Pro」は17.3型でFHDまたは4K液晶に、コアi7-7820HK+GTX1080を選択すると約3.5キロである.
14型サイズのままで液晶を大型化
フルモデルチェンジで超エッジデザインに
Razer Blade 2018モデルの最大の特徴は、シャープな新ボディデザインと、狭額縁の15.6型液晶を搭載したことだ.
液晶のフレームは4.9ミリの狭額縁となり、ボディ面積は横幅が355ミリ×奥行き235ミリと、前モデル14型の345ミリ×235ミリとサイズはあまり変わらない.というか前モデルがかなり「厚額縁」だったということである.狭額縁ながら、Webカメラとマイクはきちんと液晶上部に設置されている.
厚みについては、17.9ミリからなんと16.8ミリへと1.1ミリ薄くなっている.GTX1070を内蔵したモデルはちょっとだけ厚い17.3ミリで、1060搭載モデルより0.5ミリ厚い.
ボディ形状はよりシャープなソリッドデザインとなり、液晶背面の膨らみやボンネットラインは全くなくなり、フラットで、まさにモノリスなデザインとなった.この天板からキーボード面、底面にいたるまで金属=アルミの削り出しである.表面は酸化処理された艶消しの黒で、キズがつきにくい.
液晶はフルHDと4Kの2種類で、フルHD解像度ではリフレッシュレート60Hzに加え、144Hz駆動の液晶も用意されている.ともにノンタッチでノングレアのゲーマー仕様だ.
4K液晶のほうは60Hzのみで、タッチセンサー付きで光沢となる.両解像度ともにIPSで、フルHDはsRGBを、4KはAdobeRGBの色域を100%カバーし、視野角は170度と広い.
CPUは8Gコアのi7-8750Hでベース周波数2.2GHz、ターボブーストで4.1GHz駆動する.メインメモリーは16GBのDDR4(2667MHz)で、前モデルまではメインボードに直付けだったものが、デュアルチャネルのソケット型に変更となり、最高32GBまで増設できる.
GPUはもちろんGeForceのGTX1060+6GBVRAMとGTX1070+8GBVRAMの2種類で、ともにMAX-Qデザインである.前モデルはGTX1060が非MAX-Qで載っていたので、1060のほうはフルに近いところまで回りそうだ.
ストレージは256または512GBの2種類だが、こちらもM.2で実装されており最高2TBまで増強できる.液晶とGPU、ストレージによって、当初は5モデルが用意される.
インターフェースはまずThunderbolt3のType-C端子×1は変わらずで、Type-A×3と数は同じだが、USB3.0から3.1へとバージョンアップしている.マイク・ヘッドホンと、HDMI(2.0b)は同じで、ミニ・ディスプレイポート(1.4)×1が増えている.スピーカーはキーボードの左右に位置しており、サウンド機能はDolby Atmos対応である.
液冷ともいえるVapor Chamberを採用して
薄くても熱くならないデザイン
8Gコアの新しい6コアCPU(Kaby Lake-H)はTDPが45Wで、Uシリーズの15W/28Wの2~3倍の発熱が予想される.もちろんMAX-Qデザインとはいえ、GTX1060/1070もフルにまわれば発熱量ははねあがる.薄型ゲーミングノートの設計は熱との戦いなのである.
従来のBladeは、他社のゲーミングノートと同様に、CPU/GPUの発熱をヒートパイプでフィンに運び、ファンを使って放熱していた.しかし今回の新Bladeは「ベイパー・チャンバー」という液冷方式を採用.フラットな中空の板に液体を満たして、CPU/GPUとフィンの間を対流させて、熱交換をおこなう.
さらに、ナノ粒子とグラファイトを使った新採用の断熱シートをCPU/GPUの上面と下面に設置し、ボディに伝わることを防止しているので、キーボードがホットになることはないという.
ACアダプターも新しくなり、従来の165Wから、今回はGTX1060搭載モデルでは200W、1070では230Wと大きく強化された.アダプターと本体のコネクターも、新しい3ピンの形になっている.バッテリー容量は10Wh増えて、全モデル80Wh内蔵だ.
重量は、1060モデルが2.07キロ、1070モデルが2.10キロ、4Kモデルが2.15キロである.前モデルは1.86/1.95キロだったので、全体として約200グラム重くなっている.
お値段は米国で1899ドル~2899ドル(110円換算で約21万円~32万円)である.現行Blade14型の日本での価格は約22万円~27万円なので、それほど高くならないとうれいしのだ.日本発表は後となるが、日本語配列のキーボードを搭載して6月末には発売となる予定である.
MacBookでも利用できるグラボ拡張ボックスが最強化
Razer Core X
Thunderbolt3でPCにぶらさげてグラフィック能力を強化する、いわゆる外付けのグラボ拡張ボックスの新製品「Razer Core X」も同時に発表となった.Stealthが発表となったときに、Razer Coreが発表となり、同V2として発売されていた.
Core Xはコンセプトも基本デザインもV2と同じで、本体内にグラフィックボードを装着してThundervoltでノートPCと接続するカタチだ.電源は本体に内蔵しており、V2の500Wから、650Wへと増強されている.それに伴って、USB-CからノートPC側に最大100Wの電力を供給することができる.
また、スロットのサイズが、2.2スロットから3スロットに広がったので、巨大クーラーやカバーがついたグラボも装着できるようになった.具体的にはV2では300×145×43ミリだった最大グラボサイズが、330×160×60ミリに拡大されている.
逆に、V2は搭載していたUSBやLAN端子はなくなり、内部のLED照明もなくなり、質実剛健なグラボ増設ボックスとなったのである.
外寸は340×218×105ミリから、374×230×168ミリへと大型化しており、重量もマシマシだ.Razerとしては他メーカーでの動作は保証しないが、利用は可能で、MacでもRadeon RX570/580が使える.
シンプルになったぶん価格もV2の499ドルからXでは299ドルとお求めやすくなっているが、当分併売の予定だ.こちらも日本での正式発表はこれからだ.