今、格安SIMユーザーが注目するスマートフォンはいくつかあるが、「HUAWEI nova lite 2」がコストパフォーマンスに優れる機種ということに異論はないだろう。
18:9の縦長液晶、ダブルレンズカメラ、ロークラスの価格ながらミドルクラスに相当するパフォーマンスを持ち、Android 8.0搭載のスマートフォンだ。
安定のファーウェイ製でコスパも良好、ただしauネットワークが……
Androidスマートフォンの世界では、プロセッサーやメモリー(RAM)容量もそうだが、メーカーによる製品化に対するチューニング度合いによって使用感は大きく変わる。
なかでも筆者が最近注目しているのはファーウェイで、特にクセがなく使いこなす上でも使い勝手がいいと思っている。
その理由としては、特定の通信事業者専用モデルがほとんどなく、SIMフリー中心で展開されているから。
通信事業者モデルは自社サービスのアプリを山のように詰め込み、次から次へと通知やアラートが出る。これはバックグラウンドで何か動いていることでもあり、アンインストールできないアプリがあれば、更新時の時間やバッテリー消費に無駄に付き合わなければならない。SIMフリー機ならそれがない。
SIMフリー機にはメーカーごとにプリインストールアプリもあり、ファーウェイも自社の「HiCare」が通知を出してくることもあるが、通信事業者のアプリに比べれば大きく使い勝手に影響を及ぼすほどではない。
そして、今回注目のnova lite 2もほかのファーウェイ機と同様に非常に素直な動作の仕上がりとなっている。
プロセッサーの「HUAWEI Kirin 659」は8コアで、動作クロックは4コア×2.36GHzと4コア×1.7GHz。メモリーは最近の標準である3GBを搭載する。
Kirin 659はクアルコムのSnapdragonでは600番代の下のほうくらいに相当する性能を持つため、Snapdragonの600番代機種から比べると安価ということになる。
Kirin 659搭載といえば、liteの付かない兄貴分の「HUAWEI nova 2」と同じであり、格安SIMの定番機種である「HUAWEI P10 lite」のKirin658よりも動作クロックが早くなっている。
nova 2はauとUQモバイルから事業者モデルしか販売されていないので直接の価格比較はできないが、それに対して1万円程度安く、liteと付いていながらディスプレーの表示能力アップ。マイナス面はメモリーが4GBから3GBに減らされている程度なのだから下剋上とも言える。
P10 liteに対しては、Wi-Fiの5GHz帯、キャリアアグリゲーションの削除というマイナス面があるが、顔認証、ダブルレンズカメラ、液晶が表示能力アップと現時点でAndroid 8.0になっていることがプラス。ただし、auネットワークの格安SIMには非対応という点は人によっては致命的かもしれない。
そのほか、SIMの2枚差しに対応するが、4G、3Gの同時待受は対応していないため日本ではDSDS利用は不可。それでも2枚差しておけばSIMの切り替えは画面操作でできるので、SIMを変えて楽しむことは可能だ。
特に安いのは楽天モバイル、NifMoやOCN
ゴールデンウィークまでは「NifMo」や「OCN モバイル ONE」が回線と端末セットで1万円以下で販売していたこともあり、格安SIMに注目する人ならネット広告を見たことがあるかもしれない。
楽天モバイルだけは通話SIM契約とセットなら9800円と今でも特価だ。
大特価は終わったものの、通話SIM契約とセットならOCN モバイル ONEは1万6800円、Nifmoは2万2223円と現在も比較的安く提供している。しばらくすれば再び特価販売がはじまるかもしれないが、この金額でも十分安い。
そのほかの格安SIMでは「mineo」「BIGLOBE」「IIJmio」「イオンモバイル」などが端末込みで提供している。メーカーが言う市場想定価格は2万5980円となっており、一部ではこれよりも若干安く提供しているが、この価格よりも高く提供していることはない。

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