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三菱、渾身の新車「エクリプスクロス」がiPhoneユーザーに超オススメなわけ

2018年03月31日 15時00分更新

文● 山本晋也  ●車両協力/三菱自動車

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4年ぶりの新型車は基礎を熟成させた三菱らしいキレのあるモデル

 三菱自動車から新型モデル「エクリプスクロス」が登場した。「エクリプス」という名前は、かつて同社の2ドアクーペ&オープンカーに使われていた名前だったことを覚えている人がどれほどいるかはわからないが、新型モデルもその名前にふさわしいスタイリッシュなクーペとタフネスなSUVのクロスオーバーとなっている。

 シャープな顔つきは、かつてランサーエボリューションで一世を風靡した三菱らしいハイテク感を表現するもの。ナトリウム封入バルブや電動ウエストゲートを採用した新開発1.5リッターエンジンは、2.5リッター級の力強さを持つユニットで、組み合わせられるトランスミッションは8速スポーツモードを持つCVT、駆動方式はFFと4WDを用意する。

 その4WDに標準装備される車両運動統合制御システム「S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)」は駆動力や制動力を最適化することで、舗装路での燃費性能とコーナリング性能を両立させているほか、ドライブモードを切り替えることで雪道やダート路などで安心して走るというSUVらしい機能も身に着けている。

 すでに欧米ではローンチしているというエクリプスクロス、ついに日本でも発売になったということで、静岡県・御殿場周辺を舞台に開催された試乗会に参加してきたので、レポートしたい。

 ところで、三菱自動車にはどのようなイメージを持っているだろうか。古くはリコール隠し、最近では燃費不正などのネガティブなワードが思い浮かぶという人も少なくないだろう。そうした過去について隠すことなく、しっかりと乗り越えていこうという意思を感じるニュースがあった。エクリプスクロスが生産される愛知県・岡崎エリアの技術センター内に「過ちに学ぶ研修室」を開設したという発表があったのだ。記憶を風化させることなく、反省の意識をクルマ作りにしっかりと反映させようというわけだ。

ホイールベースのわりに全長が短いディメンションが特徴のひとつ。前後オーバーハングの短さからくるキビキビした走りと余裕のキャビンを両立するパッケージングだ

欧州トレンドのダウンサイジングターボエンジンを搭載。ターボチャージャーはキャビン側なのでボンネットを開けても目視するのは難しい

 そうした意識はエクリプスクロスの走りにも感じられた。エンジンこそ新開発だが、シャシーや駆動系は、PHEV(プラグインハイブリッド)の人気モデルでもあるアウトランダーと共通の部分が多く、けっして最新の設計というわけではない。しかし、いざワインディングを走りだせば、最低地上高175mmを確保したクロスオーバーSUVとは思えないクイックに動く感覚がある。

ラゲッジスペースはそれほど広くはないが、後席をたためば1569mmの奥行きを実現。後席は200mmのスライド機能を持つため4名乗車でもスライドさせることでラゲッジを広げることは可能

 SUVらしく立ち気味のシートポジションで視点は高いが、コーナリング中のロール感はクーペ的で、四輪がしっかりと接地しているのを感じる。このあたりの接地感というのは、車体の基本設計を同じくするアウトランダーでも感じられたが、アウトランダーが曲がることよりも乗り心地にプライオリティーを置いているのに対して、エクリプスクロスはコーナリング性能重視の味付けになっている。こうした違いは、基本設計に由来する違いというよりは、同じ設計でも異なるキャラクターに使いわけるだけの経験と熟成によるものといえるだろう。

 メカニズムの使いこなしといえば、感心させられたのがCVTのセッティングだ。ターボエンジンというのは、どうしてもトルクの出方に波ができてしまうが、変速のさせ方が絶妙でターボエンジンがまるで排気量の大きなエンジンのようにスムースに力を発揮しているように感じた。それでいて制御が仕事をしているようにアピールしないので、クルマに乗せられているといった違和感は皆無。前述した「S-AWC」制御にしても同様で、ハンドル操作に応じて、素直に向きを変えていくが、そこに電子制御の介入感はない。三菱お得意の電子制御、ランサーエボリューションの時代には特殊な走らせ方を求める面もあったが、熟成によりナチュラルにドライバーを“陰ながら”アシストするよう進化していることが確認できた。

S-AWCのドライビングモードは「オート」「スノー」「グラベル」の3種類。舗装路ではオートが基本だ。雪道を安全に走るなら「スノー」が推奨だが、「グラベル」を選ぶことでアグレッシブな走りを楽しみやすくなる

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