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“もの”と“コト”をつなげる新部門も

「改善を積み重ねる強い現場」にスポットライト 第7回ものづくり日本大賞表彰式

2018年02月06日 18時00分更新

文● 天野透/ASCII

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 内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」の経済産業大臣賞および特別賞表彰式が、2月5日に開かれた。会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京には、世耕弘成経済産業大臣、西銘恒三郎経済産業副大臣をはじめとした経済産業省の関係者が集まり、経済産業大臣賞18件86名・2団体と、特別賞15件74名・1団体の各受賞者を祝福した。

 ものづくり日本大賞は、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を顕彰するもの。経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携し、平成17年より隔年開催している。

 第7回となる今回は2016年に出願され、翌年1月から審査開始。有識者で構成される選考分科会と選考有識者会議の第1次・第2次審査による選考を経て、内閣総理大臣賞や経済産業大臣賞などの各賞受賞者を選出した。

表彰式で祝辞を述べる世耕弘成経済産業大臣

 経済産業省分野における今年の傾向として今回は「ものづくり+(プラス)企業」部門を新設。センサーなどに代表される“第4次産業革命”“インダストリー4.0”と呼ばれる、世界をリードするIoTのコア技術を活用し、デジタル社会が進む中でのビジネスモデルの変革、ものづくりに留まらずサービス・ソリューションといった展開までを包括する企業の取り組みを表彰している。

 同省では新しいビジネスに挑戦したり、サービス・ソリューションを展開したりするという方針を打ち出している。日本のものづくり・伝統技術の応用による取り組みは尊重しつつ、これと同時に新設のものづくり+企業部門を通して、現場と一緒に新しいビジネスモデルを展開する中小企業の経営者なども応援してゆくという。

 「ものづくり日本大賞は日本の産業・文化の発展に向けて、ものづくりの現場で活躍する人材にスポットライトを当てた表彰制度です。製造・生産の第一線で生産性の飛躍的な向上、これまでにない画期的な新製品や技術の開発、あるいは伝統的な匠の技術のさらなる発展と応用、そしてモノを活かした新しいビジネスモデルの創出、さらに日本の将来を担うものづくりの人材育成、といった分野において特に優れた成果を残された皆様を表彰します。

 AIやIoTの登場によって世界のあらゆる産業のあり方が大きく変わろうとしている昨今、今後も日本が勝ち残り世界をリードし続けるためには、様々な産業や企業などがデータを通じて繋がった“コネクテッドインダストリーズ”の出現がカギとなります。ものづくり産業の現場においても、データを繋いで利活用してゆくということに関して、積極的な対応が待ったなしの状況になっています。

 これまでも、今後も、常に改善を積み重ねる強い現場は、変わらぬ日本のものづくりの強みです。この強みを、デジタル技術と上手く融合してゆく力、そして現場で達成するデータを経営資源として最大限活用する経営の力とすることが、今後は特に重要になってくるでしょう。経済産業省としても、予算・税制・制度など、あらゆる観点から、企業の前向きな挑戦・取り組みを、しっかりと後押しいたします」(世耕大臣)

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