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さくらの熱量チャレンジ 第21回

デバイスやデータをGUIから扱える「OPTiM Cloud IoT OS」とは?

垂直統合型IoTが身近になるオプティム+sakura.ioの価値

2018年02月06日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

提供: さくらインターネット

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農業や水産、医療、製造、コールセンターなど業種・業態に特化したITソリューションを提供する技術者集団オプティム。ドローンやVR/MR、スマートカメラなどのデバイスやAIを効率的に利用するために開発した「OPTiM Cloud IoT OS」とさくらインターネットの「sakura.io」を組み合わせれば、垂直統合型のIoTがすぐに始められるという。オプティムとさくらインターネットに聞いた。

オプティム 執行役員 プラットフォーム事業本部 山本大祐氏

ネットを空気に変えるオプティムが進める農業IT

 「ネットを空気に変える」のコンセプトを掲げ、ITリテラシーなしにインターネットを自然に利用できる世界を目指すオプティム。佐賀大学の学生ベンチャーとして2000年に設立されて以降、ソフトウェアのライセンス販売と運用でビジネスを拡大してきた。メンバーの8割はエンジニアで、遠隔からのデバイスのサポート、スマートフォンやアプリの管理を実現するMDM(Mobile Device Management)、画面転送ソフト、電子書籍やパッケージソフトの使い放題サービスなど、さまざまなプロダクトを手がけている。

 そして、最近同社が新しいビジネスとして注力しているのが、農業や水産、医療、製造、コールセンターなど産業特化型のAIやIoTソリューションだ。同社では産学連携などを積極的に推進し、実証実験から実ビジネスに向けて確実にステップアップしている。

 たとえば、農業ITの分野では、オプティムの生まれ故郷とも言える佐賀大学の農学部、佐賀県の農林水産部と2015年8月に三者協定を結び、実証実験を進めてきた。ドローンや自走型カメラ、スマートグラスなどの最新デバイスを活用し、収集したビッグデータをAIなどで分析する農業ITのプロジェクトはすでに2年半。オプティム 執行役員 プラットフォーム事業本部の山本大祐氏は、「農薬の自動散布や圃場管理、品質管理などを支援し、『楽しく、かっこよく、稼げる農業』を目指しています。開始2年目から、すでに実績を上げることができています」と語る。

 昨年は農薬散布量を従来の1/10に減らした低農薬農法を大豆栽培に適用。「ドローンで圃場を空撮し、画像から虫食いを解析するんです。その結果から病害を検出し、農薬を部分散布します。ここまでドローンが自律的にやります。農家は圃場を見て回る必要がない」(山本氏)。そこでの実績を元に、農薬散布をピンポイントで行なうドローンなどのシステム一式を農家に提供する。

AIや最新ハードウェアをすぐに利用できるIoT時代のOS

 さまざまな産業特化型のソリューションのため、オプティムはAIやIoTのツールを標準搭載した「OPTiM Cloud IoT OS」というプラットフォームを自社開発している。なぜあえてOSを名乗るのか? 山本氏は、「定義に立ち戻ってみると、OSのハードウェアを抽象化する役割を持っています。IoT時代のOSは、センサーやウェアラブルデバイス、カメラだけでなく、スマートフォンやPC、サーバーも抽象化の対象だと考えています」と語る。マルチウィンドウシステムを採用したWindowsのような洗練されたGUIを持ち、エクスプローラーでファイルを扱う感覚で、デバイスを管理したり、AIアプリケーションを使うことが可能になるという。

 実際、OPTiM Cloud IoT OSにはデバイスの管理やデータのグラフ化、地理情報のマッピング、映像解析、データ制御を行なう開発環境などのツールが標準搭載されている。そのため、開発者はカメラやセンサーなどのデータを収集し、標準機能で分析できる。「AIやIoTを使うに当たって、必ず使うであろう機能がすでに取り込まれているので、開発者はスクラッチで作る必要がありません。そこがCloud IoT OSのもっとも大きなメリットです」(山本氏)。もちろん、標準機能だけでなく、オプティムやサードパーティの製品・サービスと連携することも可能になっている。

 さまざまな製品やサービスと連携するがために、悩みどころはデータ形式が千差万別なこと。しかし、OPTiM Cloud IoT OSはWindowsの拡張子にあたる「チャンネル」という概念があり、データ形式を整理して扱うことができるという。「たとえば、JPEGの連続データを映像として扱うようにしたり、XMLやJSONのスキーマを定義してデータを数値として扱うこともできます」(山本氏)。

垂直統合されたIoTをすぐに始められる

 このOPTiM Cloud IoT OSに対し、さくらインターネットの「sakura.io」を使えば、閉域網経由でデータを取り込むことが可能になる。さくらインターネット IoT事業推進室 室長 山口亮介氏は、「閉域なのでインターネットからデバイスに入ることが難しい。ネットワークとデバイスのセキュリティがきちんと分離されているのはsakura.ioのメリット」と語る。

さくらインターネット IoT事業推進室 室長 山口亮介氏

 マルチキャリアをサポートするオプティムとしては、sakura.ioも選択肢の1つとして提供する。特にデバイスに組み込まれるところが大きい。「普通のIoTベンダーが提供すると、組み込み用のキットになると思うんですよ。でも、sakura.ioはわれわれのようなクラウドベンダーも使えるので、今までがレイヤーがちょっと異なる。そこが大きな魅力です」(山本氏)。

 また、オプティムとしては、さくらインターネットが展開するレンタルサーバーやクラウドをヘビーに利用する開発者にリーチできる点も大きい。さくらが抱えている個人の開発者、スモールスタートしたいユーザーにOPTiM Cloud IoT OSをアピールする意味でも、ハンズオンやセミナーなどを共催していきたいという。「sakura.ioはデータを取得するところまでなので、見える化のところが弱い。でも、OPTiM Cloud IoT OSのようにビジュアルで扱えるようになっていくと、、よりIoTの裾野を拡げられると思います」(山口氏)。

 山本氏はsakura.ioとの連携について、「デバイスに通信モジュールが組み込まれて、かつクラウドの終端までがセキュアにつながるところまで実現しているので、あとはアプリケーションを用意すれば、お客様から見て垂直統合ですぐに始められます」と語る。

(提供:さくらインターネット)

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