スタートアップとも連携
2007年以来、EmpoweredOfficeへの累計見学者数は、1万社、3万人に達したという。
「2017年は、1日に受け入れることができるキャパシティーが、ほぼ満杯になる勢いで推移していた」という注目ぶりだ。
NECネッツエスアイは働き方改革において、最新技術の導入にも積極的だ。そのためにベンチャー企業との連携も加速させている。米カリフォリニア州サンノゼには、ベンチャー企業と連携するための人員を配置し、こうした最新技術を日本の働き方改革に取り込もうとしている。
牛島社長は、「ユニークな着眼点を持ち、スピードを持って取り組むことができるベンチャー企業は、働き方改革の市場を大きくするための優れたパートナーになると確信している。NECネッツエスアイは新しい優れた技術を、いち早く使いこなして、お客様にメリットを享受できるような役割を果たしたい」とする。
たとえば、2017年に販売を開始した共創ワークソリューション「Zoom」は、米カリフォルニアに本社を置くZoom Video Communications, Inc.が開発した製品。会議室という場所や、会議システム、ネットワーク環境などの制約条件から人を解放し、様々な環境において、誰もが簡単に使え、手軽に自由なディスカッションができる共創ワーク環境の実現につながるソリューションだ。スマホを使って認証するだけという手軽さで、多くの人がセキュアな環境で会議に参加でき、動画や資料なども安定した環境で閲覧できる。
また、人から人へとモノを運ぶことができる自律走行型デリバリーロボットの「Relay」も、同じく米カリフォルニアに本社を持つSavioke, Inc.が開発したもの。すでに、国内初の多フロア間移動の自律走行ロボットとして、ホテルに導入された実績がある。
「新たな技術を活用したソリューション提案を、さらに加速したい」と意欲をみせる。
改ページ
企業ごとに求められる働き方改革はちがう
「働き方改革」とひとくちに言っても、その提案は多岐に渡るという。
牛島社長は「働き方改革の最初のステップでは、いかに部門間の壁を取り払うのか、あるいはペーパーレス化によっていかに業務を効率化するのかといったことから始まる。だが、次のステップではテレワークによって、在宅勤務をしたり、外出先で仕事をしたり、これによって、残業を減らしたりといった仕事のやり方を変える取り組みが始まる。そうなると、社内の制度をどう変えるのといった課題を解決する必要も出てくる。さらに昨今では、オープンイノベーションという言葉に代表されるように、社内だけで完結するのではなく、社外といかに連携していくのか、そのための仕組みはどうするのかといったことに取り組む企業が出てきている」という。
働き方改革は、企業が取り組む段階や求める成果によって、求められるソリューションや技術が異なる。企業ごとに最適なソリューションを提案する必要があるというわけだ。
加えてAIやRPAなどの新たな技術を活用することで、人の省力化とともに、人が持っている力をITで引き出すといったことにも注目が集まっているという。
「働き方改革といっても、様々な領域へとテーマが広がっている。2018年にはこうした動きがますます加速することになる」と牛島社長は予測する。
NECネッツエスアイでは、2017年12月末から2018年1月にかけて、東京・飯田橋の本社オフィス内の大改装を開始しており、「EmpoweredOffice」を次のステップへと進化させる考えだ。
ここでは、従来のような社内の壁を取り払うといった社内だけに目線をおいたオフィス改革に留まらず、テレワークやオープンイノベーションといった社外と連携したオフィスづくりをテーマにしているという。
「2018年1月末には、新たなEmpoweredOfficeとして公開できる」という。
「働き方改革は当社の看板事業。2018年は、テーマが多岐に広がる働き方改革において、ナンバーワンやオンリーワンといえるものを、NECネッツエスアイが、いくつ作れるかということにこだわっていきたい」と牛島社長は語る。
11年間の蓄積が、働き方改革におけるナンバーワンやオンリーワンにつながることになりそうだ。
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