VAIO TruePerformanceで、4コアの性能を使い切れ
漆黒の新VAIO Sが登場、第8世代CPUをチューンし高速化
VAIOは1月18日、第8世代のインテル Coreプロセッサーを搭載した新VAIOを発表した。個人向けの新製品「VAIO S11」「VAIO S13」、ビジネス向けの新製品「VAIO Pro PF」「VAIO Pro PG」の各シリーズの上位モデルとして追加する。受注は本日から開始。出荷は最速で1月26日になる見込みだ。
2017年9月に発表した新ラインアップをリファインしたもの。第7世代のCore i5/Core i7から第8世代・4コアのCore i5/i7となり、基本性能が向上する。さらに「VAIO TruePerformance」と名付けた独自チューニングを通じて、同じCPUを通常使用した場合と比べても、高い性能を引き出せるとしている。
筐体のデザインは基本的に9月モデルと共通。第7世代のインテル Coreプロセッサーを搭載したモデルも併売する。ただし個人向けのVAIO S11/S13に「ALL BLACK EDITION」、VAIO S11に「ピンク」を追加している。
VAIO TruePerformanceとは何か
処理の負荷がかかった際にCPUは通常、アイドル時の低い動作クロックからパフォーマンスをターボブーストで一度最大に上げるが、短時間で負荷と発熱のバランスが取れた低い値(定格周波数と最大周波数の間)に落ち着き、以降はその状態が継続する。
VAIOの新モデルが採用したVAIO TruePerformance(VTP)はパワーリミット値の調節で「最大パフォーマンスで動作する時間をより長くする」とともに、持続可能パフォーマンスも「通常より一段高くなるよう調節する」ものだ。同じCPUを使用していても、その性能をより長く引き出せるため、短時間で処理を終えられる。
Core i7モデル(右)とCore i5+VTP(左)との比較
同社が第8世代のCore i7-8550Uを通常動作させた場合と、Core i5-8250UをVTP動作させた場合を比較したところ、CINEBENCH R15や3D Mark11といったベンチ―マークテストの実行結果では、VTP動作のCore i5が、通常動作のCore i7を凌ぐという。
そのために冷却機構を改良。電源部も強化した。放熱ユニットのヒートパイプを太くして熱輸送力を33%アップ。放熱用フィンの素材もアルミ製から銅製に変更し熱交換率を10%向上させたという。またファンの回転数などにも調整を加えている。結果、重量は10gほど増え、バッテリー駆動時間も11インチモデルで最大1時間ほど減ったが、そのぶん高いパフォーマンスが得られる。
VTPは「VAIOの設定」で、「電源・バッテリー」および「CPUとファン」の項目それぞれで「パフォーマンス優先」を選択した場合に有効となる。デフォルト状態では電源接続時のみVTPが有効だが、バッテリー駆動時にVTPを有効にすることもできる。
ちなみにCPUの消費電力はクロック周波数を上げればそのぶん増す。ただし、最大周波数に近い領域でクロック周波数を上げるのと、やや抑えた領域でクロック周波数を上げるのでは、前者の方がより多くの電力を消費する。
一方負荷を各コアに分散できるクアッドコア(4コア)のほうがデュアルコア(2コア)より、同程度の負荷の処理をより低いクロック周波数で実現できる。そのため電力増加分に対するクロック周波数の増加分が大きく取れる。つまり同じ電力増加幅で考えた場合、4コアのほうがVTPの効果をより高く得られるそうだ。
またメモリーの転送速度も1866MT/sから2133MT/sに向上しているという。
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