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KTUの自作キーボー道 第3回

オープンソース系自作キーボード「Iris」のビルドに挑戦

2018年03月14日 12時00分更新

文● 加藤勝明 編集●北村/ASCII編集部

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 前回はキーボードの自作キットを使って、自分好みのキーボードを作る道を模索した。だが、まだキーボード沼にはさらなる深みがある。

 国内外の有志によって、さまざまなオリジナルキーボードが開発されているのだ。市販品やキットでは攻めきれない、エッジの効いたデザインや配列のキーボードを得るためには、この深みへ挑むしかない。

 そこでKTUのキーボー道第3回は、基板やケースデータがオープンソースになっているキーボードの自作に挑戦する。キーボード沼のより深い領域に挑んでみようではないか。

基板やケースデータがオープンソースになっているキーボードの自作に挑戦

今明かされる、KTUのキーボー道の変遷

 前回自作したGH60のようなRow-Staggeredなキーボードは、筆者にとってのEndgame(究極の)キーボードたり得ない。PCゲームならいざ知らず、物書きをするには窮屈、かつ運指も不自然なのだ。

 両手を自然な形で置くことができ、指を上下に移動すればよいエルゴノミクス配列のキーボードに到達したのはごく自然な流れなのだ。

これが筆者をキーボー道へ踏み込ませたKinesis「Advantage USB」。それまでHHKBなど小型キーボードを愛用してきたが肩凝りが悪化。両手を楽に拡げた状態、かつ指の上下が自然にできるこのスタイルのキーボードに移行し、楽に打てるキーボードの模索が始まったのである

 Kinesisは非常に良い製品だったが、ボディーが大きく、時折修飾キーがスタックする不具合もあった。そこに出現したのが、Kinesisの配列をベースにしたオープンソース系キーボード「Ergodox」。

 現在は完成品を売っている業者もあるが、筆者はErgodoxに液晶を加えた発展型である「Infinity Ergodox」をMassdropで入手。ここから筆者のキーボー道は引き返せない深みにはまることになる。

Kinesisは専有面積が大きいため次のキーボードを模索していた。そんな筆者の前に出現したのがErgodoxと呼ばれる左右分離型キーボード。図は筆者愛用の「Infinity Ergodox」。キットとして売られていたものを組んだものだ

 それからオープンソース系キーボードの「Let's Split」や「Nyquist」などの自作へと走っていくが、エルゴノミクス配列にどっぷり漬かった筆者にとっては、いまひとつ違和感がぬぐえない。特に親指部分のキー配列がなじめなかった。

「Let's Split(上)」は4段6列×2の分離型、「Nyquist(下)」は5段6列×2の分離型。これはコレで良いのだが、筆者にとって右下と左下のキーがいまひとつ扱いにくいのと、親指部分のキーの位置が不満

 そんな折に知り合ったのがKeeb.ioの「Iris」だ。Ergodoxをさらに小さくまとめ、筆者が押しにくいと感じていたキーを大胆に落とした設計にひと目ぼれ。

Keeb.io(https://keeb.io)は左右分離型キーボードのパーツを扱うオンラインショップのひとつ。在庫は一度はけると次回補充まで数週間程度要するため、欲しいものは即確保が望ましい

 そこで第3回は、このIrisをビルドする様子を解説することにする。Let's Splitなどの自作キーボードでも大筋で通用するように書いてあるつもりだ。

左右分離型でエルゴノミクス配列を採用した「Iris」は、筆者にとって理想的なキーボードになりそうな予感がする……

 ちなみに「オープンソース系キーボード」というのは筆者の造語で、キーボードの基板ないしケースのどちらか、または両方がオープンソースになっていて、入手経路があまり広くないものを指している。

 前回紹介したGH60も実はオープンソース系キーボードに入るが、GH60クローンは独自設計のものが多いこと、さらに基板の提供業者が多く入手性も高いので、オープンソース系キーボードからはあえて除外している。

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