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KTUの自作キーボー道 第2回

自作キーボード用パーツをそろえて、お手軽自作に挑戦

2018年03月13日 12時00分更新

文● 加藤勝明 編集●北村/ASCII編集部

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3 プレート(2000〜4000円程度)

 自作キーボードではキースイッチは「プレート」あるいは「位置決めプレート(Positioning Plate)」と呼ばれる金属板に固定し、これを基板に合体させる。

 キースイッチの荷重を支えグラ付きを防止するとともに基板を保護する重要なパーツだ。プレートがなくてもキーボードにはなるが、使い心地は悪いのでオススメしない。

 ここで大事な点が1つある。一般的なRow-Staggeredな配列のキーボードにおいてプレートの設計がキー配列に制約を与えるのだ。

 前述の通りGH60クローンの基板ではキーの配列をある程度ユーザーが選べるが、プレート側の穴の空き方によってはキースイッチを配置できなくなる部分が出るからだ。とはいえ、Pokerクローンを目指すなら特に迷う必要はない。

プレートはアルミやステンレスをそのまま使ったのものが多いが、図のように赤や青といった着色されたアルミ素材、あるいは真鍮製のものもある。キースイッチの間から見える色にもこだわりたい人向け

この写真はKBDfansのDZ60のkit2以降に付属するプレート。上の着色済みプレートとは最下段の穴の空き方が違う。AとBでは左Shiftの大きさが違うが、DZ60とセットのプレートは(指定しない限り)Bがデフォルト

HHKB配列は左下と右下にスペースが空くので、それ専用のプレート(とHHKB配列対応基板)が必要になる。図はShenzhen YMD TechのHHKB配列用のケース兼プレート。GH60クローンの中でも、特にHHKB配列対応と明記された基板とペアで使おう

4 キースイッチ(3000円〜7000円)

 キースイッチは前述の通り基板とセットになっていれば、特に改めて考える必要はない。自分の使いたいメーカーと軸の組み合わせで選ぶといいだろう。しかし基板とのセットに自分の目的のスイッチが入っていなければ、バラ売りのスイッチを必要個数だけ購入しよう。

 Poker配列の場合最低61個必要だ。ショップによっては「3 pin」あるいは「5 pin」、あるいは「Plate Mount」あるいは「PCB Mount」という区別をしているところがあるが、多くの自作キーボードの場合「3 pin」あるいは「Plate Mount」(両者は同じ意味)のスイッチを選べばよい。

キースイッチは数個まとまったセット売りになっている。GH60クローンなら3pinまたはPlate Mountタイプの65個入りを買えばよい。うっかり5 pinまたはPBC Mountタイプを買ってしまっても、ニッパーや爪切りで図中丸のついたプラスチックのピンを切り取ってしまえば問題なく使える

だがPCゲーム好きな筆者としてはSpeedタイプのキースイッチが使いたかった。Aliexpressでも売られているが割高だったので、Novelkeys(https://www.novelkeys.xyz/)というサイトで購入した

5 スタビライザー(数百円程度)

 スタビライザーは2U(文字キー1つの幅を1Uとした時、1Uが2つ分の大きさのキーのこと)以上の大型キーの動きを滑らかにするアシストパーツだ。基板やボトムケースとセットになっていることも多いので、特別買う必要はないだろう。

 ただ、付属のものは滑りが悪かったり、色が黒で味気ないので、あえてスタビライザーを追加購入するのもいいだろう。特に質の悪いスタビライザーだと押した時にザリザリ言うので、後悔したくなければ保険として買っておこう。購入する場合は「Costar」タイプではなく「Cherry」タイプのスタビライザーを選ぶことがポイントだ。

スタビライザーの出来が大型キー押下時のフィーリングの善し悪しを決める。Poker配列の場合、6.25Uのものが1組、2Uのものが4組必要だ。キーバックライトの光を妨げない透明なタイプもある

6 ボトムケース(2000円〜)

 GH60クローンの自作キーボードでは、プレートや基板といった上物パーツを格納するボトムケースが必要だ。プラスチックから木材、金属の削り出しに至るまでさまざまな素材やデザインのものが出回っているため、自分のイメージと予算に合致するものを選びだそう。

 DZ60のように基板の裏側にUnderglow LEDが装着されている場合は、透明なアクリル系のボトムケースの方が効果的だし、キーボードに安定感を求める場合は重量のある金属製ケース(当然Underglow LEDの光は見えない)が向いている。

GH60のボトムケースは素材やデザインのバリエーションが豊富でカスタマイズのしがいがある。おそろいのパームレストがセットになっているものもある

KBDfansの「5°」に一目惚れ。アルミ削り出しなので安定感も十分。何よりエッジの効いたデザインが最高だ! 結構いい価格だが、endgameキーボードには妥協はできない

7 オプション:バックライト用LED(1000円程度)

 キースイッチにバックライト用LEDを仕込むことも可能だ。直径3mmの砲弾型、あるいは2x3x4mmの角形LEDを仕込むことができる。このLEDは完成してからでも後付けできるので、キーボードとして動いたのを確認してからでも遅くない。

 ただキースイッチの構造によっては後付けのLEDが付かないものもある。キースイッチのトップケースの形状をよく観察してからLEDを購入しよう。LEDは秋葉原や日本橋などの電子パーツ店でそろえられるので、慌てないことが肝要だ。

キーバックライトは付けてもいいし、付けなくてもいい。付ける場合は小型のものに限られる。回路の構成上単色LEDしか光らせることはできないので、色が決まったら後付け、でもいいだろう

Cherry MX互換のキースイッチにはLEDが固定できるよう、スイッチ底部から貫通する穴が空いているものだが、KailhのBoxタイプのスイッチ(右)はトップカバーに穴がない。こういったキースイッチは、基板上にチップ型のLEDを実装して光らせる

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