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紅茶王子、コンビニスイーツ“辛口”レビュー

ローソンの“コンビニゴディバ”がどれだけ「ゴディバ」か超気になる

2017年12月29日 17時00分更新

文● 天野透/ASCII

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食べにくさが玉に瑕だが、ショコラクッキーサンドはオレンジピールが華やぐ

 ショコラクッキーサンドはどうだろうか。こちらは表面に細かい金箔があしらわれ、ゴディバのコーポレートカラーと相まって雰囲気はショコラケーキよりも出ている。サイズはだいたい手のひらに収まるくらいで、アスキー的な表現をすると「長さiPhone SEの画面くらい、厚さOAタップくらい」といったところか。この大きさは良し悪しで、ボリュームはあるが、半分食べた辺りからかじると中のクリームが横に飛び出してくる。食べやすさを考えると、おそらく一口サイズで3つ入りとかの方がいいと思う。

 味に関して、一口食べてまず感じるのは、口の中に広がる上品なオレンジピールの香りだ。この余韻は結構長く響いて、風味を良い印象が支配する。今回一緒に頂いたお茶はウェッジウッドの「イングリッシュブレックファスト」だったが、このオレンジ感にはダージリンなどの華やかな紅茶と相性が良さそうだ。あるいは香りの高いコーヒーとのマリアージュもおもしろいだろう。

こちらもイングリッシュブレックファストと一緒に。コンビニスイーツということで、紅茶の“番茶”にあたる茶葉を選んだが、ショコラサンドクッキーにはもっと香りが華やぐお茶が合いそう

 一方、コクと香りといったチョコレートっぽさはちょっと薄く、チョコ好きの僕としてはカカオ感が物足りなく感じる。クッキーはサクサクの食感がショコラクリームと良いマッチング具合だが、もっとバターやクリームの風味があれば、味の世界はより豊かになるだろう。正直なところ、クッキーとショコラにはもう少し頑張ってもらいたい。もし本家ゴディバが同じモノを作ったとしたなら、オレンジピールに対してカカオ/バター/クリームがもっと複雑な香りのハーモニーを奏でるはずだと感じる。

 だが、オレンジピールを香りの主役に据えた点は大いに評価したい。何よりもオレンジのアロマが落ち着いている点が良く、安くはないがコレならまあ悪くもないなと感じる。ゴディバ度60%、ギリギリ合格だ。

オレンジピールをキーにしたのは良い発想だったと感じた。何より食べていて“愉しい”。でもやっぱり、このプラの容器はイタダケマセン

良いところもあるが、ゴディバらしさはもっと追求できるはず

 食べ終えて感じたことは「ゴディバブランドと言えど、やっぱりローソンのUchi Cafe。プロパーのゴディバの感動が得られるとは限らないな」ということだ。普通のコンビニスイーツよりハイレベルなのは間違いないが、コンビニスイーツの枠を超えられていたかと言うと、必ずしもそうとは言い難い。

 それでもコンビニスイーツだからと斜に構えていると、ショコラクッキーサンドのように思わぬ香りのワンダーに出会うことだってある。ゴディバを盲信すべきではないし、コンビニをあまり卑下するのも違う。要は自分の舌を信じるべきだということである。

 ただし、ローソンにはやはり一言物申す必要がある。「ゴディバ」の看板を掲げる以上、チョコレートのコクと香りにはもっとこだわってもらいたい。全国で24時間営業をしているコンビニのスイーツに、クオリティーで勝負をしようとしたこと自体は賞賛に値するが、それならばどこまでも本物のゴディバを目指すべきだ。

 ブリュッセルで感じた丁寧なチョコレート、その本質を追求することこそ、ゴディバブランドを掲げる意味だと僕は思う。そうであれば、あのパッケージも、あのチョコの香りも、根底から変わってくるはずだ。



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