サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第26回では、「カレンダーPlus」プラグインで実用的なスケジューリングをしてみる。
飲食店のシフトをkintoneのカレンダーで管理したいのだが、「第23回 kintoneの導入相談カフェで根掘り葉掘り質問してみる」で取り上げたように、標準機能では無理、とのことだった。しかし、「第25回 「飲食店の悩みをkintoneで解決」をテーマにハッカソン開催!」のお題としたところ、kintoneのプラグイン「カレンダーPlus」という製品を使えばいけそうということがわかった。
「カレンダーPlus」のサンプルを試してみる
早速、試してみようと思う。開発元であるラジカルブリッジのウェブサイトからプラグインをダウンロードしてインストールする。アプリも必要だが、まずはサンプルテンプレートが用意されているので試してみることに。
試用ライセンスがあるので、まずはお試し。ちなみに、試用期間の制限はないが警告表示が出る。
まずは、初期設定を行なう。「カレンダーPlus」の設定画面を開き、既定の表示や動作、フィールドの関連づけなどを行なう。今回はサンプルアプリを利用したので、項目名とフィールド名はほぼ同じ。プルダウンメニューからどんどん設定していこう。
続いて、アプリのフォームを調整する。サンプルアプリは「会議室」を押さえるカレンダーなので、飲食業向けに「会議室」を「店舗名」に変更しておく。
準備完了。早速利用してみる
準備ができたので、早速利用してみよう。日付をクリックしてタイトルを入力する。ここでは、シフトに入れるスタッフの名前だ。試用版の場合は、このときに警告画面が表示される。正式契約すれば、警告画面は出なくなる。
タイトルを入れてOKをクリックすると、カレンダーに項目が追加される。まさにGoogleカレンダーのような使い勝手。次々と追加しても全部表示される。ただし、これではシフトの時間帯がわからないので、追加した項目をクリック。編集画面が開くので、時間や色を設定すればいい。
ちなみに、最初に試したときに「保存処理に失敗しました」というエラーが出てしまった。これは、開始日時や終了日時以外のフィールドで、初期値を設定していない必須項目があることが原因。店舗名を必須にしたことで発生してしまったのだ。
もちろんkintoneの+をクリックしてレコードを作成することもできるが、日付をいちいち選択するよりは、カレンダーを見ながらダイレクトに操作する方がずっと楽。感覚的にシフトを構築できるので効率的だ。シフト時間がある程度決まっているテンポならいちいち時間を入力せず、色分けで早番遅番などを分類するのもありだろう。
シフト作成機能として活躍するのがドラッグ&ドロップ機能。マウスで予定を移動できるのだ。週表示や日表示であれば、時間の調整もマウスで行なえる。
これで複数拠点から自由に全店舗のシフトを組めるし、シフトを入れた作業者の記録も取れる。経営者も一目でシフトの厚い薄いが把握できるし、ドラッグ&ドロップで調整も簡単。データはkintoneのレコードとして登録されているので、絞り込み表示なども自由に利用できる。アプリのリマインダー機能を使って、出勤の一定時間前に通知するといったことも可能。
気になる価格は?
「カレンダーPlus」プラグインで店舗スタッフのシフトを管理できることがわかった。24時を越えるシフトが翌日にまたがってしまうのが気になるが、そこは色分けなどで対処できそう。
そこで気になる価格だが、Basic版で3万9800円(~20名)とお手頃。買い切りなので、月額課金のプラグインより予算を組みやすい。無期限で試用できるので、がっつり試して、手放せなくなってから購入すると良いだろう。さらにリソース別にスケジュールを管理できる高機能なPro版も用意されている。
この連載の記事
-
第116回
デジタル
kintoneに生成AIのパワーを!カスタマインのChatGPT連携を試してみた -
第115回
デジタル
ChatGPTをkintoneで使える連携プラグイン「Smart at AI for kintone Powered by GPT」を試してみる -
第114回
デジタル
kintoneのデータを添付ファイルごとエクスポート/インポートしたい -
第113回
デジタル
幕張メッセで「サイボウズデイズ2023」開催! 注目ブースを突撃取材 -
第112回
デジタル
Zoomの録音をkintoneに登録し、ChatGPTに議事録を生成させる連携にチャレンジ -
第111回
デジタル
kintone×kViewerで飲食店の会員向けページを構築してみた -
第110回
デジタル
kintoneのライトコースで全銀データを作成する方法を聞いてみた -
第109回
デジタル
kintone仲間と出会える! 楽しく学べるkintoneコミュニティの歩き方 -
第108回
デジタル
超絶苦手な請求書作成と発送・送信業務をkintoneで半自動処理させてみた -
第107回
デジタル
krewDataで売上管理のCSVからデータを取り込み店舗ごとの予実管理を自動集計する -
第106回
デジタル
IoTエッジデバイス「Gravio」で取得したCO2濃度をkintoneに記録する - この連載の一覧へ