10月16日、ファーウェイが「Mate 10」を発表するということで、ドイツまで取材に行ってきました。
ファーウェイは日本でも「HUAWEI P10 lite」が非常に売れているなど勢いに乗っており、「Mate 10 Pro」も期待の新機種に仕上がっています。そして日本に帰ってくるなり驚かされたのが、もうひとつの「M」です。
Mateシリーズ最高の出来、認証方式はあと一歩か
日本でも発売予定の「Mate 10 Pro」は、本体前面を覆い尽くす6インチの有機EL画面に圧倒されます。上下にわずかにベゼルはあるものの、ほぼ限界近くまで表示領域が占めています。
背面はメタリックな質感で、汚れは目立ちやすいものの、存在感は抜群です。2つのレンズを包み込む「帯」もアクセントになっており、公式画像よりも実機のほうが魅力的です。
ライカと共同開発したカメラは、レンズがF値1.6にまで明るくなっており、これまで以上に撮影性能が上がっています。
ただ、指紋センサーの位置がMate 10では前面、Mate 10 Proでは背面と分かれてしまったのは気になるところ。画面の大型化により前面にホームボタンを置けない点はGalaxy S8やNote8、iPhone Xも同様ですが、これらのスマホは顔認証や虹彩認証の開発も同時に進めています。
そろそろファーウェイにも指紋以外の認証方式の併用も期待したいところ。最新SoCの「Kirin 970」はAIに必要な処理を得意としており、今後はサードパーティーのアプリを含めたAI活用にも期待です。
2画面スマホ「M」は意外な実用スマホかも
ミュンヘンから帰ってきた18日、ドコモの発表会で登場したのが、まさかの2画面スマホ「M」です。
かつて存在した2画面端末は無理をしている感があったものの、Mでは基本性能の向上やAndroidによるマルチウィンドウのサポートにより、実用性が高まったとのこと。最近では縦長画面を2分割するマルチウィンドウも増えていますが、それなら2画面のほうがマルチタスクには便利です。
さらに2018年はサムスンにも2画面スマホの噂があり、そこに他社が追従することでちょっとしたブームが起きるのではないか、との期待もあります。
また、ドコモによれば企画や設計を手がけたのはドコモで、製造をZTEに委託したとのこと。それをグローバル展開し、海外で売れれば売れるほどドコモに収益が転がり込むという、新たなビジネスモデルとしても注目されます。
国内市場で完結してしまいがちな日本のスマホも、ドコモが世界に売り出すというスキームに乗れば、意外な形で「日本発」のグローバルスマホとして注目される機会が増えるかもしれません。
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