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VMware Cloud on AWSだけじゃない!VMworld新発表をおさらい
2017年09月11日 09時30分更新
エンタープライズレディなKubernetes環境を提供
また、VMware Cloud on AWSのベースにもなっているVMware Cloud Foundationも「データセンターのモダナイゼーション」という観点からピックアップされた。
プライベートクラウドを容易に構築、運用可能にするために開発されたVMware Cloud Foundationは、認定サーバー・ネットワーク機器を自前で調達して、自社やパートナーに構築を依頼することも可能。また、工場出荷時に事前構成とイメージまで作成した統合型システムとしては、「VxRack SDDC」(Dell|EMC)のほか、今回富士通の「PRIMEFLEX]が追加された。そして、パブリッククラウドでの提供はIBMとAWSで展開しており、今後もパートナーを拡大していく予定だ。
さらにエンタープライズレディなKubernetes環境として、新たに「Pivoal Container Service(PKS)」が発表された。こちらはもともとPivotalとGoogleで進めてきたパートナーシップに、VMwareが載ったというもの。ベアメタル上にサーバーを構築するVMware Cloud on AWSと異なり、こちらはコンテナなのでKubernetesクラスタをほんの数分でオンデマンドに調達できるという。運用面においてもヘルスチェックや障害時の自動復旧、アクセス集中時の自動スケーリング、高い可用性と複数のAZなどに対応し、コンテナで苦労しているユーザーには朗報だ。
着実に成長を遂げるデジタルワークスペース
派手なクラウド系の発表の陰に隠れた感もあるが、EUC(End User Computing)領域の新発表も数多く行なわれた。こちらはEUC/IoT分野のチーフストラテジストである本田豊氏から説明された。
まずID管理を行なうIdentity Managerとモバイルデバイス管理のAirWatchを統合した「Workspace ONE」では、Office 365との連携が容易になり、Azure ADやDLPなどの設定もAirWatchの管理コンソールで構成可能に。今までWindowsと差のあったMacデバイス向けの構成管理やソフトウェア配信、OSパッチの管理、セキュリティ対策などの管理機能も強化された。さらにChrome OSへのアプリケーションとポリシーの配布もサポートされ、マルチプラットフォーム対応も強化された。
Workspace ONEに関しては、新たにアドオンとして「Workspace ONE Intelligence」が追加された。これは名前の通り、デジタルワークスペースの情報の可視化をカスタムダッシュボードで提供するもので、リソースの使用状況やデプロイのリスク判断、アプリケーションやポリシー配布の最適化を実現。セキュリティやコンプライアンス、ユーザーエキスペリエンスの改善などを自動化する。北米では第3四半期に出荷開始。さらに同じアドオンである「Workspace ONE Mobile Flows」ではワークフローアプリが追加された。
またVDIサービスであるHorizonとDaaSのHorizon Cloudにも拡張が施され、Microsoft Azureの既存アカウントでHorizon Cloud Appsを利用できるようになった。機能面でもHTML5ビデオのリダイレクト、アプリのショートカット、セッションのプリローンチ、Skype for Businessのサポートなどを追加。その他、テクニカルプレビューとして、NVIDIA GRID vGPUを採用した仮想マシンのvMotionによるライブマイグレーションのほか、1つの仮想デスクトップを複数ユーザーで共有するコラボレーション、ユーザーをベースにした自動管理を提供する「JMP(Just In Time Management Platform)」なども発表された。