サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第19回では、自分で入力したレコードだけを見られるようにアクセス権を設定してみる。
自分の入力データだけ見る方法
社内でkintoneを活用する際、ナレッジの共有は重要だが、必ずしもほかの人の入力データを見る必要がない情報もある。たとえば、経費精算やアンケートなどは、自分の分だけ見られれば十分だ。全部見られるのは上司や管理者だけにしたいこともあるだろう。そんなときは、アクセス権を設定すればいい。
たとえば、「出張申請」アプリで経費を申請したりチェックしたりできるが、絞り込みフォームで「すべて」や「一覧」を選ぶと全員の申請が表示される。一般ユーザーは自分が登録したレコードのみを表示できるように設定を変更しよう。
まずは、アプリの設定を開き、「設定」タブ→「アクセス権」→「レコード」をクリックする。設定画面が開いたら、フィールドの一覧から「申請者」を選ぶ。続いて、プルダウンメニューから「Everyone」を選択する。そして、右側のアクセス権で、「Everyone」の操作を全部禁止する。これで、基本的に表示されないようになる。
続いて、本人と管理者の表示設定を行なう。まずは「フォームのフィールドを追加」で「申請者」フィールドを追加。「閲覧」と「編集」にチェックし、操作できるようにする。「削除」を可能にしてもいいだろう。次に、上のフォームから「Administorators」を選び、こちらもすべての操作にチェックする。これで左上の「保存」をクリックすれば完了だ。
一般ユーザーは、自分が登録したレコードしか表示されなくなった。絞り込みで「すべて」を選んでも同様だ。そして、「Administorators」のアカウントには全員の申請が表示されている。今回は「Administorators」のみだが、「役員」とか「部長」といったグループに閲覧権限を設定することも可能だ。
前出の例では、自動入力される「申請者」のフィールドを判別しているが、空になる可能性があるなら別の設定も必要になる。たとえば日報アプリで「担当者」を自分で選ばせる場合を考えてみよう。本来は設定で必須にしたり自動入力にすればいいのだが、ここでは空白のままでも保存できるとする。この場合、前述の方法だと、全ユーザーに担当者が空白のレコードも表示されてしまうのだ。
この場合、担当者が空白でも一般ユーザーには表示されず、管理者のみに表示したいならレコードの条件に追加する。まずは、アプリの設定から「レコードのアクセス権」画面を開き、「追加する」をクリック。「担当者名」を選んだら、「次のいずれも含まない」を選択して「Everyone」を選択。右側で「Everyone」を非表示にし、「Administorators」の操作を許可すればいい。これで、担当者名が空白の場合は一般ユーザーは非表示で、管理者には表示されるようになる。
ちなみに、複数の条件を指定する場合、上の方にある条件が優先される。今回の例では、まったく別の条件なので問題ないが、条件が重なるようなら、左のアイコンをドラッグして順番を入れ替えられる。より優先したい条件を上に移動させよう。
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